目次

  1. 34歳で家業に転身
  2. 「タオル塾」で勉強を重ねる
  3. ホットマンの協力で新ブランド
  4. 積みあがった高級タオルの在庫
  5. モラルテックスが家業にも好影響
  6. 手腕が認められて3代目に
  7. 「家族の笑顔」が家業を守る

 日東タオルは1947年に鳥山さんの祖父が創業しました。愛媛県の今治や大阪府の泉州などタオル関連だけで100社以上の仕入れ先を抱え、取引先は3千社に広がっています。約10人の「タオルソムリエ」(今治タオル工業組合認定)を抱え、仕入れ先工場の得意分野に応じてオリジナルタオルの企画提案を行っています。

 同社は、「お年賀用」など粗品としてのタオルを扱うことが多いといいます。例えば、同じ白色でも、厚みや色合いなどが微妙に異なる複数の商品を扱っているため、顧客の様々な要望に対応できるのが強みです。

多様な産地のタオルを扱っています(日東タオル提供)

 父が2代目として日東タオルで働いていました。1階が店舗、2階が自宅という環境で育った鳥山さんは、早くから3代目になることを意識します。

 小学1年生のとき原因不明の円形脱毛症を発症し、見た目に自信を持てずにいました。高校に入っても心を許せる友達ができなかったといいます。

 そのころ、父から「家業を継ぐにしても、まず10年ほど一般企業を経験しなさい」と言われました。

 鳥山さんはあこがれだった教員を目指して教育学部に進みますが、最終的には一般企業就職を目指し、2002年、仙台市の医薬品卸会社に入社。医院や薬局向けの経営コンサルティング会社への出向も経験するなど、提案書を書いたり経営や簿記などを勉強したりしながら、10年間働きました。

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