目次

  1. サンデンとは
  2. サンデンが下請法違反と認定された事実
  3. 金型の無償保管の違法根拠
  4. サンデンはコメントを発表

 サンデンの公式サイトによると、サンデンは、コンプレッサーなどの自動車機器システムを製造・販売する企業です。グローバル展開しており、自動車空調用コンプレッサーでの世界シェアは第2位だといいます。

 戦時中の1943年、三共電器として、ベークライト成型による無線通信機用部品やマイカコンデンサー、ペーパーコンデンサー製造を手掛ける会社として群馬県伊勢崎市に設立されました。

 その後、カーエアコン事業に参入し、1973年に東証1部へ上場し、1982年には社名をサンデンと改めました。しかし、その後は経営不振に陥り、中国電機大手、ハイセンス(海信集団)グループ傘下で経営再建を進めています。

 公取委によると、サンデンは遅くとも2022年1月以降、自動車空調システムや自動車空調用コンプレッサーの部品・附属品の製造を委託している下請事業者61社に対し、長期間発注していないのに、下請事業者に計4220型の金型等を無償で保管させ、利益を不当に害していましたといいます。

 公取委によると、親事業者が下請事業者に金型を無償保管させることは、下請法4条2項3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)の規定に違反するといいます。

 下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準でも、金型の無償保管は違反事例として紹介されています。

7-5 型・治具の無償保管要請
(2)親事業者は、自動車用部品の製造を委託している下請事業者に対し、自社が所有する金型、木型等の型・治具を貸与しているところ、当該自動車用部品の製造を大量に発注する時期を終えた後、当該部品の発注を長期間行わないにもかかわらず、無償で金型、木型等の型・治具を保管させた。

下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準(公取委の公式サイト)

 経産省は、経済産業省は、部品製造に必要な金型の管理コストが、不適切な形で下請企業に押し付けられることを是正するため、経産省の公式サイト上で「明日から使える型管理適正化マニュアル」などを公表して周知を図っています。

 サンデンは公式サイト上で、公正取引委員会からの勧告への対応について公表しました。

当社は、本勧告を厳粛に受け止め、直ちに対象事業者様と対象金型等の管理状況を確認の上、対象金型等を保管して頂いたことによる費用に相当する額を公正取引委員会の確認を得た上で速やかに対象事業者様にお支払いいたします。また、本勧告に従い、今後の取引において同様の問題が発生することのないよう、改善活動を徹底してまいります。

サンデン公式サイト