改正戸籍法とは 戸籍謄本の「どこでも・まとめて」広域交付を簡単に紹介
法務省によると、2024年3月1日から、改正戸籍法が施行され、戸籍謄本等の広域交付ができるようになりました。戸籍届出時における戸籍証明書等の添付負担も軽減されます。今後できるようになることも含めてわかりやすく紹介します。
法務省によると、2024年3月1日から、改正戸籍法が施行され、戸籍謄本等の広域交付ができるようになりました。戸籍届出時における戸籍証明書等の添付負担も軽減されます。今後できるようになることも含めてわかりやすく紹介します。
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法務省の公式サイトによると、戸籍とは、日本国民が生まれてから死亡するまでの出生、婚姻、死亡、親族関係などを登録し、公に証明するためのものです。
1872年(明治5年)に旧戸籍法が施行され、1947年に民法が全面改正され、これまで戸主とその家族ごとに作成されていた戸籍が、夫婦とその子ども単位で作成されるようになりました。
いくつかの改正を重ねるなか、2011年に起きた東日本大震災をきっかけに戸籍副本データ管理システムを導入し、法務省で戸籍の副本を管理することになりました。
3月1日から施行される改正戸籍法は、この戸籍副本データ管理システムを発展させた新システムを活用しています。
戸籍謄本とは、戸籍に記載されている全員を証明するものです。紙で管理している戸籍は「戸籍謄本(こせきとうほん)」、電子管理している戸籍は「戸籍全部事項証明書(こせきぜんぶじこうしょうめいしょ)」と呼びます。
現在は多くの自治体で戸籍が電子化されていますので「戸籍全部事項証明書」が一般的となっています。たとえば、相続の手続きなら、以下のような場合に必要となります。
このほか、戸籍に記載されている一部の人を証明する「戸籍抄本(こせきしょうほん)」や「戸籍個人事項証明書(こせきこじんじこうしょうめいしょ)」もあります。
戸籍謄本等の広域交付とは、本籍地以外の市区町村の窓口でも、戸籍証明書・除籍証明書を請求できるようになることを指します。
「どこでも」「まとめて」がポイントといい、居住地や勤務先の最寄りの市区町村の窓口で請求できます。また、欲しい戸籍の本籍地がバラバラにあっても、市区町村1ヵ所の窓口でまとめて請求できます。これにより、結婚・相続などの手続の負担が軽くなります。
戸籍証明書等を請求できるのは、以下の続柄です。
市区町村の戸籍担当窓口に、請求者が直接行く必要があります。請求には顔写真付きの身分証明書の提示が必要です。
ただし、コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍は対象外です。一部事項証明書、個人事項証明書も請求できません。
広域交付初日の3月1日から、一部自治体で戸籍証明書が交付できないトラブルが起きました。不具合の解消を目的として、法務省は8日22時から11日7時まで緊急メンテナンスを実施しました。その結果、不具合から復旧したと発表しています。
戸籍届出時における戸籍証明書等の添付負担の軽減とは、本籍地以外の市区町村で、本籍地以外の市区町村のデータを参照できるようにすることで、戸籍の届出における戸籍謄抄本の添付を不要とする仕組みです。
たとえば、本籍地ではない新婚旅行先の市区町村の窓口に婚姻届を提出する場合、提出先の市区町村の職員が本籍地の戸籍を確認できるようになるため、戸籍証明書等の添付が原則不要となります。
さらに今後の改正予定の手続きについても紹介します。
各種の社会保障手続の際に記載しているマイナンバーを利用することで、従来これらの手続で提出が必要だった戸籍謄抄本の添付が省略できます。
一部の手続きは対象外ですが、おもに以下の手続きでメリットがあります。
たとえば、パスポートの発給申請で、申請書と併せて戸籍電子証明書提供用識別符号(有効期限3ヵ月のパスワード)を申請先の行政機関に提示することで、申請先の行政機関が戸籍電子証明書(電子的に戸籍情報を証明したもの)を確認することができるようになります。
その結果、戸籍証明書等の添付が不要となり、オンラインで手続が完結されます。
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