目次

  1. アンケートに詰まった「答え」
  2. 「さじ加減の評価」をやめた
  3. 若手とのコミュニケーションを重視
  4. コロナ禍で感じた父の経営力
  5. AI時代に求められる引き出し
  6. 教習所をサードプレースに 
  7. 常にスーツを身にまとう理由

 林さんは巨人、日本ハム、DeNAで活躍し、引退後すぐに父・敬さんが経営する船橋中央自動車学校に入りました。現在は系列校の鎌ヶ谷自動車学校(同県鎌ヶ谷市)の運営を任され、着実に後継ぎとしての経験を積んでいます。家業の傍ら野球解説の仕事も続け、グラウンドを訪ねるたび、古巣の球団フロントと経営に関する意見交換を重ねています。そこで得たヒントの一つが、教習所の卒業生のアンケートを生かすことでした(前編参照)。

 同校のアンケートは、手書きでびっしり感想が書かれています。例えば、「丁寧にわかるまで指導してくれた」、「何度質問しても、わかるまで教えてくれた」という内容です。それらはホームページでも公開されています。

 「アンケートなんて面倒くさいと思う人もいるはずなのに、丁寧に書き込んでくれる。入社して衝撃を受けたことの一つでした。中には指導員の個人名を挙げておほめいただくこともあります。教習所には『怖い』というイメージがありますが、卒業するのが寂しくなったという声もいただいています」

 もちろん、感謝や喜びの声ばかりではありません。「教え方がわかりにくいなどという声もあります。指導員歴が長いベテランでも目配りが届かないことがある。だからこそ、アンケートには大きな『答え』が詰まっているのです」

 千葉県警の資料(21年)によると、指定教習所卒業生の人身事故率(免許取得後1年以内)は、船橋中央自動車学校が0.25%、鎌ヶ谷自動車学校が0.33%で、千葉県内の教習所平均(0.39%)を下回っています。こうしたクオリティーを保つ、あるいはさらに高めるための源泉はアンケートではないかーー。そう考えた林さんは、アンケートの回答を全員に定期的に共有するようにしたといいます。「アンケートの回答はボーナスの評価対象にもしています」

林さんは卒業生のアンケートを重視しています

 林さんは人事評価の仕組みづくりにも力を注ぎました。そこにもプロ野球選手時代の経験が生きています。

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