特売やサンプル使用分の減額は下請法違反 公取委が三井食品工業に勧告
「物流協力金」「特売条件」「サンプル使用分」などの名目で、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請代金の額を減じていた行為が下請法違反にあたるとして、公正取引委員会は2024年6月14日、「みついの漬物」で知られる三井食品工業（愛知県一宮市）に対し、勧告したと発表しました。三井食品工業は下請事業者に減額分の一部を支払いました。
三井食品工業とは
三井食品工業の公式サイトによると、三井食品工業は、1925年（大正14年）創業の漬物を取り扱う老舗です。地元では。「みついの漬物」としても知られています。
三井食品工業が下請法違反と認定された事実
公取委の公式サイトによると、三井食品工業は、2022年５月から2023年８月までの間、次の額を下請代金の額から差し引くことで、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請代金の額を減じていたといいます。減額分は、下請事業者6社で総額988万6497円に上ります。
- 物流協力金…約21万円(下請事業者5社)
- 物流費…約56万円(下請事業者1社)
- 特売条件…約887万円(下請事業者3社)
- 割戻金…約15万円(下請事業者1社)
- サンプル使用分…約7万円(下請事業者6社)
- 振込手数料(実費超過分)…約3万円(下請事業者6社)
三井食品工業は、2023年10月、下請事業者に対し、減額分の一部を支払いました。
三井食品工業「勧告に従った措置を速やかに講じる」
勧告を受けて、三井食品工業は公式サイト上でコメントを公表しました。
「弊社は、今回の是正勧告を真摯に受け止め、深く反省し、この勧告に従った措置を速やかに講じるとともに社員のコンプライアンス意識の向上と再発防止の徹底を図るべく、法令遵守に向けての体制をより一層充実させてまいります」
