目次

  1. 1日千人が訪れる人気店
  2. 父が商社を辞めて6代目に
  3. 「川村屋は生活の一部だった」
  4. 突然の閉店、固めた決意
  5. 反対する父を夫婦で説得
  6. noteにつづった思いに反響
  7. 新規採用でオペレーションを見直し
  8. 「変わらぬおいしさ」を守るために

 桜木町駅の改札に近づくと、すぐ脇にある川村屋から、かつお節など天然だしを使った手作りのつゆが豊かに漂い、鼻をくすぐります。川村屋のメニューは天ぷらそば、うどん、いなりずしなど約15種類、一杯500円前後という低価格も魅力です。

 看板商品は「とり肉そば」(440円)。山梨県産のブランド鶏をヨーグルトに2日間漬け込んだ、やわらかな食感が特長です。

看板商品の「とり肉そば」
看板商品の「とり肉そば」

 定休日は年末年始のみ。17人の従業員を抱え、毎日4人程度の体制で朝7時半からオープンします。客層は40~60代の男性が中心ですが、女性の一人客や子ども連れ、外国人観光客など、毎日千人前後が訪れます。

 駅の隣という立地からスピードを重視。東京都内の製麺所からゆで麺を届けてもらい、天ぷらは横浜市内の専門店からかき揚げなど数種類を仕入れ、食券での注文から1~2分で完成します。

 低価格で提供するため、メニュー数はできるだけ絞ってオペレーションを簡素化。天ぷらはエビではなく、手ごろな価格のアジやキスなどを用意しています。

調理台に並べられたかき揚げなどの天ぷら

 「こだわりは天然だしを使った自家製つゆです。濃い口しょうゆを使った関東風の味わいで、そばや天ぷらとの一体感を楽しんでもらえるように工夫しています」と加々本さんは胸を張ります。

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