目次

  1. 「お客さま」の声を聞いて家業に
  2. コミュニケーション強化で業務改善
  3. 商品ラインアップを半分以下に
  4. 足で稼いで卸売りを拡大
  5. 制服一新で直営店も強化
  6. 社長自ら「キャラ」になりきる
  7. 新卒採用専門のインスタも運営
  8. 観光農園「こだまランド」の狙い
  9. 売り上げは低迷期の倍以上に

 こだまは1949年、児玉さんの祖父・久さんが創業しました。もち入りどら焼きを中心に常時10種類、季節商品を含めると約20種類のどら焼きを作っています。

児玉さんの祖父・久さん(左から2人目)が創業しました(こだま提供)

 どら焼きの生産量は1日約4千個。市内の直営5店のほか、県内のサービスエリアや駅、空港など約40カ所で販売しています。従業員数は約35人で、うち半分は正社員。毎年新卒を採用しています。

 現在の看板商品の「もち入りどら焼」は、創業翌年に生まれます。たまたま余っていた皮にあんこと求肥(ぎゅうひ)を挟んだ試作品が好評で、商品化しました。

看板商品の「もち入りどら焼」(こだま提供)
看板商品の「もち入りどら焼」(こだま提供)

 北海道産の小豆をじっくり蒸して作る甘さ控えめのつぶあんと、当日の朝に仕込むふわふわの生地を、もちもちの求肥がつなぐ。三位一体のバランスで人気となりました。

 児玉さんは最初、家業を継ぐ気はなかったといいます。厳しかった2代目の父・興さんや「生まれた時からずっと菓子店」という環境への反発心からでした。

 京都の大学を卒業後、そのまま京都で金融業界に就職。ところが5年ほど経ったころ、興さんが体調を崩します。「長男の私が継がなければ、もはや廃業という状況でした。そうなったら、自分が死ぬ時に後悔すると思ったんです」

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