目次

  1. ニコニコ動画などのランサムウェア被害の経緯
  2. 外部漏洩を確認した情報一覧
    1. 個人情報漏洩の一覧
    2. 漏洩が確認された企業情報などの一覧
  3. 情報漏洩の原因と対策 削除要請・情報開示請求も

 ドワンゴの公式サイトなどによると、ニコニコサービスは6月8日6時ごろからニコニコサービス全体において正常に利用できない場合がある不具合が起きていると発表。

 グループ企業のデータセンターがランサムウェアを含むサイバー攻撃を受け、相当数の仮想マシンが暗号化され、利用不能になっていることが発覚。その結果「ニコニコ」をはじめとするウェブサービス全般のシステムが停止しました。

 サイバー攻撃は、発覚後も繰り返され、第三者が遠隔からシャットダウンしたはずのサーバーを起動させて感染拡大を図るといった行動が観測されていたといいます。

 そのため、サーバーの電源ケーブルや通信ケーブルを物理的に抜線し封鎖しました。その結果、グループ企業が提供するデータセンターに設置されているサーバーはすべて使用不可となりました。オフィスへの出社を原則禁止とし、社内ネットワーク、社内業務システムも停止する対応を取りました。

 ドワンゴとKADOKAWAグループは、大手セキュリティ専門企業の支援を受け、情報漏洩の可能性と範囲を調査し、8月5日時点の調査結果をまとめ、国の個人情報保護委員会にも報告しました。

 それによると、漏洩した個人情報は25万4241人に上り、一部取引先との一部の契約書や、社内の法務関連の文書の漏洩もあったといいます。

 ただし、「ニコニコ」サービスを含む顧客のクレジットカード情報は、社内でデータを保有していないため、カード情報漏洩は起こらない仕組みとなっているといいます。

 また、漏洩が確認されたすべての人に対し、個別に謝罪と通知を送る予定だといいます。ドワンゴの公式サイト上で、専用の問い合わせ窓口も案内しています。

 今回、漏洩が確認された社外情報は以下の通りです。

  • ドワンゴおよび同社の一部関係会社の一部取引先(クリエイター、個人事業主含む)の個人情報(氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、活動名、口座情報など)
  • 同社、同社の一部関係会社および同社の一部兄弟会社の一部元従業員の個人情報(氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、学歴・口座情報などの属性情報、社員番号・勤怠などの人事情報など)
  • 同社および同社の一部関係会社の面接を受けた一部の方の個人情報(氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、選考履歴など)
  • N中等部・N高等学校・S高等学校の在校生・卒業生・保護者・出願者・資料請求者のうち、一部の方々の個人情報(氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、学歴などの属性情報、入学年・担任・進学先などの学生情報など)
  • 学校法人角川ドワンゴ学園の一部元従業員の個人情報(氏名、メールアドレス、口座情報などの属性情報、社員番号・所属組織などの人事情報など)

 漏洩した社内情報の一覧は以下の通りです。

  • ドワンゴ全従業員(契約社員、派遣社員、アルバイト含む)の個人情報(氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、学歴・口座情報などの属性情報、社員番号・勤怠などの人事情報など)
  • 同社の一部関係会社および同社の一部兄弟会社の一部従業員の個人情報(氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、学歴・口座情報などの属性情報、社員番号・勤怠などの人事情報など)
  • 学校法人角川ドワンゴ学園の一部従業員の個人情報(氏名、メールアドレス、口座情報などの属性情報、社員番号・所属組織などの人事情報など)

 漏洩が確認された社外情報は以下の通りです。

  • ドワンゴの一部取引先との一部の契約書
  • 同社の過去および現在の一部関係会社における一部の契約書
  • 同社の一部の元従業員が運営する会社の情報

 このほか、ドワンゴの法務関連をはじめとした社内文書も漏洩していました。

 漏洩の根本原因について、ドワンゴは、フィッシングなどの攻撃により従業員のアカウント情報が盗まれたことが原因と推測しています。

 ドワンゴとKADOKAWAグループは、情報セキュリティを重視し、これまで対策を講じてきたが、今回のインシデントを防ぐことができなかった事実を重く受け止め、再発防止に向けて大手セキュリティ専門企業の助言とチェックを受け、さらなる対策を講じると説明しています。

 このほか、匿名掲示板やSNSなどで、サイバー攻撃を行ったとされる組織が公開したものとして、情報を拡散する行為により二次被害が起きていると指摘。

 「現在、弁護士と協議の上、SNS・匿名掲示板・各種まとめサイト上での巡回監視や情報提供に基づき、悪質な情報拡散行為などに該当するものと認識した書き込みを特定し、運営者への申請を通じてこれらに対する削除要請および情報開示請求を鋭意進めています」と説明しています。