目次

  1. 行政のIT化がもたらす変化
  2. 経理業務に求められるコンサル化
  3. 会計センスを磨く三つのポイント
    1. 収益と費用に分解する
    2. 経営判断に重要な「単位変換」
    3. 不定期高収入と定期低収入の組み合わせ
  4. 経理部門は隠れた資産

 山田さんは、芸能・エンタ―テインメント専門の会計事務所を経営しながら、約90万人が登録するユーチューブチャンネルも運営し、企業会計の基本など発信しています。

 講演では、経理ITの効率化に取り組むべき理由として「行政自体がコスト削減で経済を活性化したいという動きになっており、中国や韓国、シンガポールでは特にIT化が進んでいます」と話します。そして、経営者が押さえるべきポイントについて、番号管理、ペーパーレス、徴税のデジタル化の三つを挙げました。

 「2023年10月にインボイス制度が始まり、2024年1月には電子帳簿保存法が完全施行されました。この二つが合体したのがデジタルインボイスです。消費税の計算・申告・納税を一気通貫にできるデジタルインボイスの時代になると言われています」

 「これまでの企業経営は法人税と所得税を重視してました。今後は消費税ファースト、もう少し言えば帳簿ファーストからインボイスファーストに変わります。帳簿だけでは難しかった税務調査も、インボイスが浸透すればやりやすくなります。インボイス登録番号があるか、消費税が計算できているかが焦点になり、経理のあり方も変わります」

 山田さんは、経理業務の問題点は人手不足に加え、知識の更新が必要になること、経営者や社内への説明などの時間がかかる点を挙げます。「経理業務は成功して当たり前、失敗すると怒られる。嫌われ役になりがちでした」

 しかしITツールの進化で、経理の立ち位置も大きく変わりそうです。

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