目次

  1. 土に還るゴルフティーを開発
  2. 「竹の歯ブラシ」に反響
  3. 発売2年で売り上げが50倍に
  4. 母娘ふたりの戦いが始まる
  5. 母が続々と開発した歯ブラシ
  6. 「花道プロジェクト」に着手
  7. 社員との関係が緊密に
  8. ユニークな開発が目に止まる
  9. 樹脂製造を新たな柱に

 2023年11月16日。伝統の男子プロゴルフツアー・ダンロップフェニックストーナメントの第50回大会の幕が切って落とされました。オナラリー・スタートのティーイングエリアに足を運んだのは、日本ゴルフ界のレジェンド、青木功と中嶋常幸。彼らがボールを乗せたゴルフティーは、ファインが製作したものでした。

 そのゴルフティーは、会場となったフェニックス・シーガイア・リゾート(宮崎県)に広がる黒松の間伐材を粉砕・加工し、樹脂化したもの。生分解性に優れ、土に還る特性をそなえます。

 「“体が喜ぶ”をコンセプトにファインブランドの再構築を目指しています。ゴルフティーはその流れのなかから生まれたものです」

 後述する歯ブラシ「MEGURU」の特許技術を活用したゴルフティーは2024年5月、一般発売も開始しました。

2023年のダンロップフェニックストーナメントで使われたゴルフティー
2023年のダンロップフェニックストーナメントで使われたゴルフティー

 くだんのゴルフティーは、樹脂の製造も社内で行っています。内製の起点となったのは、植物由来の生分解性プラスチック(PLA)をベースとした歯ブラシ。母で先代の和恵さんが1998年に完成させたものです。

 エコに関心の高い層を狙った歯ブラシでしたが、そのときは機が熟していませんでした。終売を決めたところ、化学物質過敏症に悩む人々から惜しむ声が出ました。石油由来の歯ブラシは口にしたとたん息苦しさを覚え、ひどい場合には触れることすらできなかったためです。

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