目次

  1. 太陽フレアとは 2024年10月9日にX1.8クラス
  2. 太陽フレアがもたらす影響 通信障害に注意

 NICTの「宇宙天気予報」によると、太陽フレアとは、太陽の黒点付近で生じる爆発現象のことで、強い紫外線やX線、電波等が放射されるほか、太陽の上層大気であるコロナガスが放出され、地球に到来すると大規模な宇宙環境変動を引き起こすこともあります。

 発生したフレアのX線強度の最大値により、小規模なものから、A、B、C、M、Xの順にクラス分けされています。2024年10月9日に観測された太陽フレアはX1.8です。

 5月に連続で起きた太陽フレアよりは規模は小さいものの、地球への影響は規模だけでは決まりません。発生した場所にも左右されるため、太陽の中央付近で起きた今回の太陽フレアには十分な注意が必要です。

写真はNASAの太陽観測衛星SDOが捉えたX8.7の太陽フレア
写真はNASAの太陽観測衛星SDOが捉えたX8.7の太陽フレア(NASAにより赤と黄色で強調表示されています)NASAの公式サイトから https://blogs.nasa.gov/solarcycle25/

 NICTによると、X1.8クラスの太陽フレアにより、日本でも規模が弱いながら、9日10時45分~12時00分に、高度60-90km程度のD領域が異常電離して電子密度が高くなり、通常はD領域を通過する短波帯の電波が吸収されてしまう「デリンジャー現象」が起きました。同じころ、電波ノイズの原因となる太陽電波バーストも観測されました。

 さらに地球に向かってコロナガスの放出が観測されています。10月10日の深夜以降に地球に到来することが予想され、地磁気嵐が発生する可能性があります。

 この影響により、地球周辺の人工衛星の障害やGPSを用いた高精度測位の誤差の増大、短波通信障害などが生じる恐れがあり、注意が必要です。