目次

  1. カシオ計算機とは
  2. ランサムウェア被害の経緯
  3. 情報漏えいの可能性がある情報等
  4. 個人情報漏洩への対応

 カシオは、G-SHOCKをはじめとする腕時計のほか、電卓、電子辞書、電子楽器、などを手がける電機メーカーです。

 そのほか、ハンディターミナルや電子レジスター、販売管理システムなどのシステム事業や皮膚科医向けカメラなどのメディカル事業も展開しています。

 1957年、樫尾茂氏が樫尾計算機を設立し、社長に就任しました。“カシオ”というブランドの浸透に合わせて、1960年10月にカシオ計算機に改めました。

 茂氏には、長男忠雄氏、次男俊雄氏、三男和雄氏、四男幸雄氏の「樫尾四兄弟」がおり、それぞれの強みを生かしながら、カシオ計算機を発展させてきました。

 カシオ計算機は歴代、樫尾家が事業承継してきましたが、2023年4月に増田裕一氏が創業家以外から初めて社長に就任しました。

 カシオのプレスリリースによると、2024年10月5日、カシオの一部のサーバーでシステム障害が発生し、複数のシステムが使用不能となりました。

 調査を行った結果、サーバーにおいて第三者によるランサムウェア攻撃の被害を確認したため、不正アクセスを受けたサーバーをインターネットや社内ネットワークから遮断する措置を取りました。

 これにより、カシオおよびカシオ関係会社内の重要なシステムが一部使用できなくなり、一部のサービスに停止の影響が出ているといいます。

 10月11日時点で漏洩した可能性のある情報は以下の通りです。

  • カシオの従業員(派遣社員、契約社員等)の個人情報
  • 一部関係会社の一部の従業員の個人情報
  • カシオと一部関係会社の取引先の個人情報
  • 過去に採用面接を受けた一部の人の個人情報
  • カシオと一部関係会社の提供するサービス利用者の情報
  • カシオと関係会社の一部の現在および過去の取引先との契約書、請求書、売上等の情報
  • カシオと関係会社の法務、財務、人事計画、監査、営業、技術に関する情報を含む社内文書

 ただし、オンライン販売サービスは顧客のカード情報を保有していないため、漏洩した可能性のある情報にクレジットカード情報は含まれないといいます。また、カシオのアプリやサービスに利用されるCASIO IDならびにClassPad.netサービスのシステムは別システムのため、影響を受けていないといいます。

 カシオは10月6日に警察に相談し、個人情報保護委員会に対しても10月7日に相談の上、9日までに報告を行った。情報漏洩については、今後も調査を続けると説明しています。

 個人情報を悪用し、フィッシングメールやスパムメール等の迷惑メールが送付される可能性があるといいます。カシオは、不審なメールなどを受け取られた場合は開封せず、削除するよう呼び掛けています。

 同時に、スパムメールの送付や関連したフェイク情報の発信、漏洩情報の対象となった方人たちへの誹謗中傷その他の迷惑行為が発生した場合は、警察と連携して厳正に対応しするとしています。