目次

  1. 廃業を撤回した3代目 
  2. 地ビール会社から転身
  3. ハンディを乗り越えて味を継承
  4. 菓子店とのコラボやバッグ制作も
  5. 働きやすい職場づくりも推進

 須崎市は土佐湾に面した人口約2万人の港町です。マルキョー味噌醤油は大正時代、この地に住む3~4人が出資して設立した蔵が発祥となります。マルキョーの名前は「みんなとともに」に由来し、佳生子さんの曽祖父が出資者の1人でした。

 終戦後の1951年、2代目の辻吉重さんが取締役となり、会社組織として発展。人気商品の「さしみ醤油」をはじめ、温暖な気候を活かした甘みのあるしょうゆやみそは、長きにわたり地域の人々に愛されてきました。

 現在はしょうゆ5種類とみそ4種類を製造。しょうゆの年間生産量は4万本で、高知県内での売り上げが取引全体の80%ほどを占めます。それ以外は首都圏や関西エリアのホテルやレストラン、自社のECサイトや高知県のアンテナショップなどで販売されています。

マルキョー味噌醤油の商品
マルキョー味噌醤油の商品

 佳生子さんの幼少期には、祖父や親族が経営していました。しかし、1990年代中盤、祖父が亡くなったことで後継者不在の状況に直面します。

 一時は廃業も検討したそうですが、長年の取引先や常連からは廃業を惜しむ声が多数寄せられました。そこで、漁に使う網や資材を販売していた佳生子さんの父・高志さんが一念発起し、3代目として事業を続けることを決めました。

 醸造は未経験でしたが、マルキョー味噌醤油の元従業員や、みそやしょうゆの製造経験のある人に声をかけるなどして、伝統の味を再現していきました。

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