小規模事業者持続化補助金、2025年は原点回帰 経営計画づくりに重点
小規模事業者持続化補助金は2025年、政策の原点回帰のため、経営計画づくりを重点化します。中小企業庁が2024年12月19日、事業概要を公表しました。それによると、2025年は前年度まであった特別枠を整理する方針です。それぞれの補助率や対象経費についてまとめました。
小規模事業者持続化補助金は2025年、政策の原点回帰のため、経営計画づくりを重点化します。中小企業庁が2024年12月19日、事業概要を公表しました。それによると、2025年は前年度まであった特別枠を整理する方針です。それぞれの補助率や対象経費についてまとめました。
目次
中小企業庁の公式サイトによると、小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)は、小規模事業者が経営計画を作成して取り組む販路開拓を支援する補助金です。
コロナ禍で様々な特別枠が増えていましたが、「商工会・商工会議所等と一体となって経営計画を作成し、経営計画にもとづいて行う販路開拓等の取組を支援する」という原点に回帰するとして、2025年は特別枠を整理する方針です。
政府の2024年度補正予算に、IT導入補助金も含む中小企業生産性革命推進事業として3400億円が盛り込まれました。22025年の持続化補助金には、4つの支援類型が設けられる予定です。
それぞれの支援類型について紹介します。
一般型の通常枠は、小規模事業者等が経営計画を自ら策定し、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む販路開拓等を支援することを目的としています。ここでいう小規模事業者とは、従業員数が「商業・サービス業(宿泊業、娯楽業を除く)」の場合5人以下、製造業またはそれ以外の業種の場合20人以下である事業者のことを指します。
補助上限は50万円、補助率は2/3となります。ただし、免税事業者のうちインボイス発行事業者の登録を受けた事業者の場合はインボイス特例として、補助上限額に50万円を上乗せします。
また、事業場内最低賃金を+50円以上とした事業者は賃金引上げ特例として、補助上限額に150万円を上乗せします。
また、補助率についても、賃金引上げ特例活用事業者のうち赤字事業者は3/4に引き上げます。
対象経費は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、資料購入費、借料 、設備処分費 、委託・外注費です。
一般型のうち、災害支援枠は、令和6年能登半島地震・令和6年奥能登豪雨により被害を受けた小規模事業者等が行う事業再建を支援する補助金です。
そのため、石川県、富山県、福井県、新潟県に所在する、令和6年能登半島地震・令
和6年奥能登豪雨の被害を受けた小規模事業者等が対象です。
自社の事業用資産に損壊等の直接的な被害を受けた場合の補助上限は200万円、令和6年能登半島地震・令和6年奥能登豪雨に起因して、売上げ減少の間接的な被害を受けた場合の補助上限は100万円です。
補助率は原則として2/3ですが、直接被害を受けた事業者のうち、災害で売上が減少しているなどの要件を満たす場合は定額支給となります。直接被害でも間接被害でも申請前には自治体の証明書が必要になります。
対象経費は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、資料購入費、借料、設備処分費、委託・外注費、車両購入費、施設・設備の修繕費など。
創業型は、創業後3年以内の小規模事業者等が経営計画を自ら策定し、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む販路開拓等を支援する補助金です。ここでいう小規模事業者とは、従業員数が「商業・サービス業(宿泊業、娯楽業を除く)」の場合5人以下、製造業またはそれ以外の業種の場合20人以下である事業者のことを指します。
産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業による支援」を受けた日および開業日(設立年月日)が公募締切時から起算して過去3か年の間であること。
創業型の申請には、認定市区町村が発行した、特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書の写しが必要になります。
補助上限は200万円ですが、免税事業者のうちインボイス発行事業者の登録を受けた事業者の場合はインボイス特例として、補助上限額に50万円を上乗せします。
補助率は2/3です。対象経費は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、資料購入費、借料 、設備処分費 、委託・外注費などです。
共同・協業型は、地域に根付いた企業の販路開拓を支援する「地域振興等機関」が、小規模事業者を10者以上集め、展示会や商談会、催事販売、マーケティングの拠点を活用し、参画事業者の販路開拓を支援する取組について支援する補助金です。
地域振興等機関とはたとえば、以下のような法人です。
補助上限が5000万円となります。補助率は参画事業者は2/3、地域振興等機関は定額となります。会場の設営費・内装等の工事費、会場借料、機器・機材の借料、広報費、旅費などが補助対象となります。
共同・協業型には以下のような取り組みが想定されています。
商談目的の展示会・商談会(主催または他者主催への出展)で展示・宣伝を行い、支援する参画事業者の商品・サービスの特長または価値が顧客に伝わることによって、参画事業者の新たな取引先を増加させる。
支援する参画事業者の商品・サービスの物販会や即売会(主催または他者主催への出展)により、参画事業者の売上高増加を支援する
支援する参画事業者の商品・サービスの想定ターゲットを明確化し、補助事業を通じて、想定ターゲットに具体的かつ継続的なマーケティングを行う拠点・仕組みを構築する。
ビジネスコミュニティ型は、青年部、女性部など商工会・商工会議所の内部組織向けとして想定されています。補助上限は50万円ですが、2つ以上の補助対象者が共同で実施する場合は100万円となります。
補助対象経費は、専門家謝金、専門家旅費、旅費、資料作成費、借料、雑役務費、広報費、委託費などです。
補助金は、原則的に後払いです。そのため、補助対象経費の資金調達に活用できる無担保・無保証の融資制度としては限度額2000万円の「小規模事業者経営改善資金(マル経融資)」があります。
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