目次

  1. 年間10万パックの豆腐を製造
  2. 廃業寸前だった店を継承
  3. 1人での豆腐づくりに限界
  4. 業界団体の協力で効率化
  5. 初出品は150店中148番目
  6. パッケージ一新で販路拡大
  7. 5年かけて製造手順を微調整
  8. SNSで増やした若手従業員
  9. 従業員のスキルアップで金賞に
  10. 豆腐を味わえる飲食店も構想

 鳥取市東部の河原町にある平尾とうふ店は、平尾さんが祖父母と住んでいた民家の一部を改装して運営しています。商品は平尾揚げ、平尾とうふ(木綿・絹・おぼろ)、生湯葉の5種類。5人体制で年間10万パックの豆腐を作っています。

店内で食べられるおぼろ豆腐と平尾揚げ
店内で食べられるおぼろ豆腐と平尾揚げ

 豆腐と油揚げを販売するほか、イートインスペースでは、揚げたての平尾揚げ、おぼろ豆腐、豆乳ソフトクリームなども提供。ポップはすべてイラスト付きの手書きで、和モダンの空間にアットホームな空気が流れます。

平尾とうふ店のイートインスペース
平尾とうふ店のイートインスペース

 道の駅や直売所、スーパーマーケットなど計15軒ほどに卸し、ECサイトでも販売。スーパー経由も含む個人消費者への販売が95%を占めます。2020年3月に法人化し、現在は従業員・役員の計5人で運営しています。うち4人が30代です。

 店の前身は1957年創業の平尾食料品店です。祖父・至史(よしふみ)さんと祖母・ユリ子さんが運営し、肉、魚、野菜から衣料品や文房具まで扱う「町のデパート」のような役割でした。

祖父・至史さんと祖母・ユリ子さん(平尾とうふ店提供)
祖父・至史さんと祖母・ユリ子さん(平尾とうふ店提供)

 店舗兼自宅に、平尾さんは祖父母、両親、姉、妹の7人で暮らしていました。

 「毎日テキパキと働く祖父母を見て育ちました。祖父は魚の仕入れのために朝3時くらいに家を出て、小学校低学年のときは一緒に連れていってくれました。帰ると豆腐の仕込みが始まり、家じゅうに大豆の香りが広がるんです。その風景が大好きで、祖父母のことを尊敬していました」

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