目次

  1. 対馬の海岸に「想像絶する光景」
  2. 「プラスチックのプロ」だからこその悩み
  3. 老舗企業だからできた「対馬オーシャンプラスチック」
  4. 脱プラ一辺倒を変えたSDGs授業
  5. 価値を生むにはたくさんの人を巻き込む
  6. 不適切に捨てられるプラごみを減らすには?
2022年に撮影した対馬の海岸
2022年に撮影した対馬の海岸

 「現実は想像を絶する光景が広がっていました」

 2022年9月、対馬市で開催されたスタディーツアーに参加したリングスターの唐金祐太取締役は、ニュースで見聞きしていた風景のイメージをはるかに超え、海洋プラスチックごみで埋め尽くされた海岸に言葉を失いました。

 長崎県の対馬は、海流や季節風の影響により、日本で最も海洋プラスチックごみが漂着する場所の一つだと言われています。対馬に流れ着く海洋ごみは年間約3万~4万㎥にも上り、そのうちの7割がプラスチックごみだと言われています。

 現在使われているほとんどのプラスチックは、自然分解されないため、取り除く必要があります。しかし、年数億円かけて清掃しても半年後には元通り。そんないたちごっこが続いています。

 工具箱の製造販売を続けてきたリングスター。かつては木製や金属製の工具箱をつくっていましたが、1990年代からは射出成型(インジェクション)により、割れにくくて丈夫なプラスチック製の工具箱をつくるようになりました。

1990年代に導入したプラスチックの射出成型機
1990年代に導入したプラスチックの射出成型機

 リングスターの強みは「現場でも20年以上使えるプラスチック製の工具箱」。自動車バンパー材をいち早く使いこなし、製品によっては本体部分が最大800kgの荷重にも耐えられます。 だからこそ自分たちを「プラスチックのプロ」と自負していました。

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。