1万人以上の現場監督等の個人情報を不正取得 転職支援のビーバーズに勧告
架空の事業者名を名乗って1万人以上の現場監督等の個人情報を不正に取得したとして個人情報保護委員会は2025年1月29日、建設業界の職業紹介や転職支援を手がける「ビーバーズ」に対し、個人情報保護法にもとづき勧告したと発表しました。個人情報保護委員会の聴取に対し虚偽報告をしたうえで不正取得を続けていたといいます。
架空の事業者名を名乗って1万人以上の現場監督等の個人情報を不正に取得したとして個人情報保護委員会は2025年1月29日、建設業界の職業紹介や転職支援を手がける「ビーバーズ」に対し、個人情報保護法にもとづき勧告したと発表しました。個人情報保護委員会の聴取に対し虚偽報告をしたうえで不正取得を続けていたといいます。
ビーバーズの公式サイトによると、ビーバーズは「私たちの役割は、建設業界で働く方々が求める、より多様な幸せのかたちに応えること」を掲げ、建設業界専門の転職支援およびキャリアコンサルティング、建設技術者派遣、フリーランス支援サービス、高度外国人材紹介などを手がけています。
個人情報保護委員会の公式サイトによると、ビーバーズは遅くとも2023年4月ごろから、以下のような方法で個人情報を取得していたと指摘しています。
このようにして取得した1万人以上の個人情報(氏名・携帯電話番号)をデータベース化し、職業紹介や転職支援に利用していたといいます。
個人情報保護法は「個人情報取扱事業者は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない」と規定されています。
ビーバーズは、架空の事業者名を名乗り、虚偽の事実を伝えて電話応答者を誘導し、現場監督者等の携帯電話番号を取得していました。この行為が「偽りその他不正の手段」による個人情報の取得であり、個人情報保護法に違反すると個人情報保護委員会が認定しました。
個人情報保護委員会は「本人にとっては、自己の個人情報が、違法な手段により、あずかり知らない他者に渡り、利用目的を知らされないままに利用される事態であり、実際に、ビーバーズから突然連絡を受け、自己が求めていない転職情報を伝えられて転職を勧められるなどしており、本人の権利利益に対する侵害が発生している」と指摘。
事業部責任者の指示の下、組織的に行われていたにも関わらず、個人情報保護委員会が2024年2月に初めて聴取したときは不正な情報取得を行っていないと虚偽の報告をしたうえで、その後も不正な情報取得を継続していたといいます。
さらにビーバーズは委員会が実施した報告等の求めに対しても、当初は過少報告を行ったといいます。これらの状況から、現在も不正な情報取得を行っている可能性や、これまでに取得した個人情報を消去せずに保管・利用している可能性があると判断したといいます。
そこで、個人情報保護委員会は、ビーバーズに対して以下の勧告を行いました。
さらに、個人情報保護委員会は、勧告した事項の改善状況を確認するため、ビーバーズに対し、勧告以降に取得した個人情報の具体的な取得状況や再発防止策の実施状況などを2月28日までに報告するよう求めました。
おすすめのニュース、取材余話、イベントの優先案内など「ツギノジダイ」を一層お楽しみいただける情報を定期的に配信しています。メルマガを購読したい方は、会員登録をお願いいたします。
朝日インタラクティブが運営する「ツギノジダイ」は、中小企業の経営者や後継者、後を継ごうか迷っている人たちに寄り添うメディアです。さまざまな事業承継の選択肢や必要な基礎知識を紹介します。
さらに会社を継いだ経営者のインタビューや売り上げアップ、経営改革に役立つ事例など、次の時代を勝ち抜くヒントをお届けします。企業が今ある理由は、顧客に選ばれて続けてきたからです。刻々と変化する経営環境に柔軟に対応し、それぞれの強みを生かせば、さらに成長できます。
ツギノジダイは後継者不足という社会課題の解決に向けて、みなさまと一緒に考えていきます。