目次

  1. 文具3万~4万点をそろえた旗艦店
  2. 米国型の大型文具店を展開
  3. 後継者の道を一度は断念
  4. 社長就任直後に襲ったコロナ禍
  5. 「役職者だけでいいアイデアは出ない」
  6. ご当地色の強いボールペンがヒット
  7. 従業員に背中を押されてSNS発信
  8. 「杜の文具博」に5千人が集う
  9. 「実用性を超えた楽しさ」を

 1995年創業のオフィスベンダーは、仙台駅前のランドマーク的な商業施設「アエル」に旗艦店「文具の杜」を開いています。

 ワンフロアを丸々使った店内には、3万~4万点のアイテムを常時取りそろえ、宮城県で絶大な人気のお菓子「メン子ちゃんミニゼリー」とコラボしたボールペンなど、オリジナリティーあふれる文房具も並びます。

 売り場の目立つ場所にはさまざまなメーカーの筆記具が目を引くポップとともに置かれ、購買意欲を高めます。主要顧客は20~50代の女性です。

「文具の杜」はワンフロアを丸々使っています
「文具の杜」はワンフロアを丸々使っています

 仙台市とさいたま市に6店舗を展開し、従業員数は105人(パート・アルバイト含む)にのぼります。

ガラス特有の繊細な美しさが楽しめる「ガラスペン」も扱っています(オフィスベンダー提供)
ガラス特有の繊細な美しさが楽しめる「ガラスペン」も扱っています(オフィスベンダー提供)

 会社のルーツは、白木さんの祖父が1940年に宮城県塩釜市で創業した「白木屋文具店」です。その後、仙台市に拠点を移し、1972年、株式会社白木屋として法人化。2代目社長の父・進さんが規模を拡大し、小売り事業にも積極的でしたが、約30年前に転機が訪れました。

 そのころ、米国の文具店を視察した進さんは郊外の大型店の勢いに圧倒されました。当時の米国は倉庫型の文具店が急成長し、小規模な文具店が次々と淘汰されていたのです。

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