5分でわかる動画制作 手順やツール、内製・外注の判断基準を解説
動画(映像)コンテンツは、情報が伝わりやすく、見る人の印象に残りやすいことなどから、ビジネスの多様なシーンで利用されています。実際に動画編集をしている筆者が、動画を制作したいと考えている企業担当者向けに、基本的なポイントをご紹介します。
動画(映像)コンテンツは、情報が伝わりやすく、見る人の印象に残りやすいことなどから、ビジネスの多様なシーンで利用されています。実際に動画編集をしている筆者が、動画を制作したいと考えている企業担当者向けに、基本的なポイントをご紹介します。
目次
そもそも動画制作では何ができるのでしょうか。企業にとって、動画制作をするメリットは何でしょうか。さまざまな利点があるかと思いますが、主に次のようなものがあります。
動画の特徴は、視覚情報に訴えるため、文字情報よりも魅力が伝わりやすい点です。そのため、広告やコンテンツを用いたマーケティングと親和性があります。
また、情報をわかりやすく伝えられるのも動画を制作する利点です。
私は過去にレジシステムの営業をしていたのですが、レジの操作方法を動画化することで、セールスの際にお客様にスマートフォンなどで実際の操作画面をわかりやすく説明することが可能になりました。(今までは紙の資料で説明をしていました)
また、レジシステムの基本的な使い方をYouTubeにアップすることで、わざわざ人が行って説明しなくても、URLを送付するだけでお客様が何度でも操作を確認できるようになり利便性が上がりました。
動画を制作すると言っても、何から始めればいいのかと悩むことと思います。基本的に、動画制作は、以下の5つのステップで行います。
各手順のポイントを一緒に見ていきましょう。
動画制作というと、沢山の動きやアニメーション等のエフェクト機能や、おしゃれなイラストやテロップなどを入れて…というイメージがあるかもしれません。
ですが、1番大切なことは「どんな人(ターゲット)やなんのため(目的)に動画を作るのか?」を制作前に明確に決めることです。
というのも、ただ闇雲に動画を制作すると、伝えたいことがあれもこれも…と増えてしまい詰め込みがちなものができてしまいます。
すると、本来1番伝えたかったものが何か?が分からなくなり、ターゲットにも何も伝わらない動画になってしまいます。
また、「どういうシーンで利用するのか?」も、動画全体の時間(尺)や伝える順番を決めるうえでも大切な要素です。
例えばWEBサイトの「広告掲載として利用する」のか、それとも商談の際に「説明動画として利用する」のか、というだけでも全体の構成が変わります。
企画やコンセプトが決まれば、構成案や絵コンテを考えていきます。
動画の全体をアニメーションで表現するのか、写真などを使用するのか、テロップや音声に関わるテキスト原稿もここで決めていきます。
WEB動画広告の構成を考える場合、広告を最初の5秒間でいかにユーザーが興味を持ってもらえるように作れるかを意識します。
例えばYouTubeでは、5秒後に広告をスキップできる機能があります。
逆を言うと、どんな映像も5秒は閲覧しないといけないので、最初にユーザーが興味を持つようなシーンやメッセージを伝えることが大切です。
説明動画の場合は、1シーンで沢山のことを詰め込みがちになったり、1本の映像がとても長くなってしまうことがあります。それを防ぐために、情報の整理が重要です。
これらのことを考えたうえで、構成・絵コンテを作成後、動画素材(編集するために必要な写真や音声データ等)を集めていきます。
ネット上で画像などを探される場合は、後々のトラブルを避けるために、できるだけ商用OKの素材を探した方がいいでしょう。
撮影に関しては、最初に高額な機材を購入するよりかは、今すでにあるスマートフォンを使って撮影し、素材として使用していく方が初期費用もかからないのでお勧めです。
最近のスマートフォンでは4Kの動画撮影が可能な機種もあり、スマートフォンで事足りることがほとんどだと思います。
編集ソフトを使用して(例:Adobe Premier Pro等)素材データをつなぎ合わせ、編集します。
どの編集ソフトにも言えることですが、それを使えばあっという間に編集できるわけではありません。
最初は、テキストの入力するのにも膨大な時間がかかるものです。こればかりは慣れなので、とにかく数をこなしましょう。
このとき、操作でわからない箇所が出てきたら、その都度ネットで検索して回答を探し、自ら解決するようにしていくと早くスキルが身につきます。
なお、私のお勧めのお勧め編集ツールについては、下記でご紹介します。
最近は、YouTubeへ公開するケースがよく見られます。YouTubeは無料で動画が公開でき、公開範囲を絞ることもできるので、気軽に動画を配信したい場合にお勧めです。
YouTubeへの公開は、やったことがない場合は時間がかかりますが、一度やってしまえば、2回目以降は数十分で公開できます。YouTubeのアカウントを開き、YouTube sdudioの所定の場所でアップロードするといった簡単な手順で済むからです。
外注される場合は、YouTubeへの公開を代行してくれる方がいることが多いので、相談してみてもいいかもしれません。
私の場合は、Adobe Premier Proを使用しています。動画をつなぎ合わせてテキストを入れるくらいであれば、このPremier Proのみで完結可能です。
また、Adobe After Effectsなど他のAdobe製品と組みわせることで「できない映像表現はない」と言われるぐらい高機能なソフトとなっています。
ちなみに、私は、Premier ProやAfter Effects以外にも、Adobe IllustratorやAdobe Photoshopを使っています。
個人的な最大のメリットは動画編集をしていてわからないことがあった際、ネットで検索すれば、ほとんどの場合、答えが見つかるという点です。
Adobe公式サイトやYouTubeの説明動画も本当にたくさんあるので、それらを見て解決できるのが大きなメリットだと感じています。
Adobe Premier Pro以外のソフトになると、そういった説明サイトや説明動画が少ないという印象です。
わからないことは積極的にネットやYouTubeで調べることができる方は、Adobe Premier Proの方が向いているかもしれません。
PCのスペック高いものを用意した方が作業効率が上がるので、少し高額なパソコンを購入する必要があります。
また、ソフト使用料が他のソフトに比べ少し高めなため、躊躇される方も多いです。
Premier Proの使用料は、年間契約プランが税込2728円/月、月々契約プランが税込3828円/月です。
基本的な動画編集はPremier Proで完結できますが、本格的なアニメーションの制作や本格的な画像加工をする場合は、After EffectsやIllustratorを別途契約する必要が出てくるでしょう。
その場合は、Adobeの複数のソフトが使用できるコンプリートプラン(年間契約:税込6248円/月、月々契約:税込9878 円/月)の方がお得な場合もあります。
今はスマートフォンで手軽に動画が撮影でき、アプリで簡単に編集できるようになっていて、昔に比べて自分で動画制作がしやすくなっています。
そのため、コストとスピード重視から自社制作のほうがいいのでは?と思っている方も多いでしょう。
ですが本当にそうなのか、ここでそれぞれのメリット・デメリットを見ながら考えていきたいと思います。
量産が求められてクオリティが低い(撮影したものをつなぎ合わせただけなど)ものについては、1つ1つの動画にコストをかけることが難しいため、自社制作で進める企業が多い傾向にあります。
一方で、成果の出やすい動画制作のノウハウや動画制作に関わる業務経験を持つ社内人材は少なく、動画の品質を担保することが難しいというデメリットも存在します。
また、動画制作では、スムーズに行うために高性能なPCが必要です。そうしたPCは30万円を超えることがほとんどなため、PCも合わせて用意しなければならない場合は、大きな初期費用が発生することになります。
これに対し、外注は、品質の担保がしやすいのが特徴です。
そのため、特にアニメーションを使用した動画を制作の際に外注を選択するケースが多く見られます。また、社員の作業負担を抑えながら高品質な動画を制作できるメリットもあります。
ただ、社外の方に動画制作するにあたっての説明や打ち合わせ、企業の選定など制作するまでの過程に時間がかかることがほとんどです。
また、内製に比べて費用がかかりやすいのも外注のデメリットでしょう。
内製でもPCの購入が必要になれば、初期費用が高くなりますが、一度購入すれば継続して内製できます。長期的に見れば、外注のほうが費用がかかっているケースは少なくありません。
このように、内製と外注には、それぞれにメリットとデメリットがあります。
今後の方針として動画(映像)などを使ったサービスや営業展開などを考えていらっしゃる場合は、可能であれば内製した方がコストパフォーマンスがいいと思います。
ただ、撮影素材(写真や元になる動画素材など)が多くあり、人員も確保でき、初期費用の問題もクリアできるかどうかが、問題になってくると思います。
社内で編集を行えるほどのリソースがない、比較的短時間で制作したい、クオリティの高いものを作りたい、とりあえず動画を用意したい…と思っている場合は、一度、専門の方に話を聞いてみるだけでもお勧めします。
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