雇用調整助成金の支給要件を緩和、最低賃金引き上げた中小企業が対象
最低賃金を引き上げた企業に対し、厚生労働省は2021年7月30日、雇用調整助成金の休業規模の要件を緩和する方針を出しました。いつからいつまでなのか、対象となる条件、申請方法、問い合わせ先などについて整理しました。
最低賃金を引き上げた企業に対し、厚生労働省は2021年7月30日、雇用調整助成金の休業規模の要件を緩和する方針を出しました。いつからいつまでなのか、対象となる条件、申請方法、問い合わせ先などについて整理しました。
雇用調整助成金とは、新型コロナの影響で、事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を図るために「雇用調整(休業)」を実施する事業主に、休業手当などの一部を助成するものです。緊急事態宣言などにより事業活動の縮小を余儀なくされた事業主向けに、支給要件を緩和する特例措置がとられています。
今回はさらに、中小企業が事業場内で最も低い時間給を一定以上引き上げる場合、2021年10月から12月までの3カ月間の休業について、休業規模要件を緩和する予定だと厚労省が公表しました。
雇用調整助成金の休業規模要件とは、休業のべ日数が所定労働のべ日数の1/40以上(大企業は1/30)となる必要がある要件のことです。
厚労省によると、10人規模の中小企業が20日の所定労働日数の月に、4人日分の休業をした場合は下記の式により、対象となります。
4人日(休業)/200人日(10人×20日)=1/50 < 休業企業規模(1/40)
最低賃金とは、雇い主が労働者に最低限、払わなければいけない賃金を定めたものです。都道府県ごと定められた「地域別最低賃金」と、特定の産業の労働者に向けて定められた「特定(産業別)最低賃金」の2種類があり、雇い主は、どちらか高い方を払う必要があります。
厚労省は要件緩和の対象となる3つのケースを紹介しています。
雇用調整助成金の要件が緩和されるには、2つの条件を満たす必要があります。
1つは、2021年10月から3カ月間の休業について、業況特例または地域特例の対象となり、2021年1月8日以降解雇などをしていない中小企業であることです。
もう1つが、事業場内最低賃金、2021年7月16日~12月、30円以上引き上げることです。ただし、地域別最低賃金との差が30円未満である場合に限ります。教育訓練や出向は対象にならないので注意してください。
2021年10~12月の3カ月間の休業が対象です。
雇用保険被保険者、被保険者以外とも、緊急雇用安定助成金として申請する必要があります。
問い合わせは、雇用調整助成金、産業雇用安定助成金コールセンター(0120-60-3999、受付時間 9:00~21:00 土日・祝日含む)へ。
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