事業再構築補助金に最大1.5億円の「グリーン成長枠」補正予算案で新設
政府の2021年度補正予算案に、最大1.5億円の「グリーン成長枠」などを新設した事業再構築補助金が盛り込まれました。事業再構築補助金とは、新型コロナの影響で売り上げが減った事業者の事業再構築を支援する補助金で、予算規模は6123億円です。新たに設けられた「グリーン成長枠」や「回復・再生応援枠」についても紹介します。(2021年12月20日更新)
政府の2021年度補正予算案に、最大1.5億円の「グリーン成長枠」などを新設した事業再構築補助金が盛り込まれました。事業再構築補助金とは、新型コロナの影響で売り上げが減った事業者の事業再構築を支援する補助金で、予算規模は6123億円です。新たに設けられた「グリーン成長枠」や「回復・再生応援枠」についても紹介します。(2021年12月20日更新)
目次
事業承継補助金とは、新型コロナウイルス感染症の影響で、需要や売り上げの回復が難しいなかで、新規事業分野への進出等の新分野展開、業態転換、事業再編などに取り組む中小企業を支援する補助金です。2020年度補正予算に盛り込まれたのが始まりです。
事業再構築補助金は、新たに2021年度補正予算案に盛り込まれました。予算規模は、6123億円。2020年度補正予算と比べると6割程度となっています。
ポイントは次の通りです。
2021年12月に開かれる臨時国会で補正予算が成立した後、2022年に入ってから申請の受け付けが始まる予定です。補正予算を審議するための臨時国会は、2021年12月6日に召集し、21日までの16日間とすることで与野党が合意しました。
過去最大35兆円超の歳出総額となった補正予算は2021年12月20日に成立しました。
補正予算案発表時に決まっている申請要件は次の通りです。
まず、2020年4月以降の連続する6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ以前と比較して10%以上減少していることです。
また、複数事業者が連携する場合は売上高減少分の合算が可能となりました。このほか、事業再構築指針に沿った事業計画を認定経営革新等支援機関と策定することも要件に含まれています。
2021年度補正予算案の事業再構築補助金は、5つの申請類型があります。いずれも補助下限額は100万円です。回復・再生応援枠とグリーン成長枠が新設されました。
申請類型 | 補助上限 | 補助率 |
---|---|---|
最低賃金枠 | 500万円、1000万円、 1500万円(従業員規模で異なる) |
中小3/4 中堅2/3 |
回復・再生応援枠 | ||
通常枠 | 2000万円、4000万円、 6000万円、8000万円(従業員規模で異なる) |
中小で2/3(6000万円超は1/2)、中堅企業は1/2(4000万円超は1/3) |
大規模賃金引上枠 | 1億円 | |
グリーン成長枠 | 中小1億円、中堅1.5億円 | 中小1/2 中堅1/3 |
それぞれの類型について補助上限と補助率を紹介します。
最低賃金枠とは、最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい事業者を支援する特別枠です。
補助上限は500万円、1000万円、1500万円と従業員規模によって異なります。補助率は中小企業が3/4、中堅企業が2/3です。
2020年度補正予算の第3回公募で新設された特別枠です。このときは中小企業、中堅企業ともに次のような補助額でした。
【従業員数5人以下】100万円~500万円
【従業員数6~20人】100万円~1000万円
【従業員数21人以上】100万円~1500万円
回復・再生応援枠とは、業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者を支援する特別枠です。
補助上限は500万円、1000万円、1500万円と従業員規模によって異なりますが詳細は明らかになっていません。補助率は中小企業が3/4、中堅企業が2/3です。
通常枠の補助上限は、2000万円、4000万円、6000万円、8000万円と従業員規模によって異なります。補助率は、中小企業で2/3(6000万円超は1/2)、中堅企業は1/2(4000万円超は1/3)です。
前回、2020年度補正予算による事業再構築補助金では、次のような区分でした。
【従業員数20人以下】100万円~4000万円
【従業員数21~50人】100万円~6000万円
【従業員数51人以上】100万円~8000万円
大規模賃金引上枠とは、多くの従業員を雇用しながら、継続的な賃金引上げに取り組むとともに、 従業員を増やして生産性を向上させる事業者を支援する特別枠です。
補助上限は1億円、補助率は、中小で2/3(6000万円超は1/2)、中堅企業は1/2(4000万円超は1/3)です。
前回、2020年度補正予算による事業再構築補助金では、従業員数101人以上で補助額が8000万円超~1億円でした。
グリーン成長枠とは、研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組を行う事業者を支援する特別枠です。
補助上限は中小企業で1億円、中堅企業で1.5億円。補助率は中小企業が1/2、中堅企業が1/3です。
14分野は次の通りです。
事業再構築補助金の対象経費となるのは、次の通りです。一部の経費には上限があります。
中小企業庁によると、これまでの事業再構築補助金では、顧客規模の想定の積算根拠が甘い申請が多かったといいます。「なぜそれだけのお客さんが取れるか?」という点についてきちんと根拠をもって説明する必要があります。
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