目次

  1. 人材確保等支援助成金(テレワークコース)とは
    1. 機器等導入助成
    2. 目標達成助成
  2. 取り組みごとの上限額
  3. 人材確保等支援助成金の改正、2つのポイント
  4. 助成金の申請から支給までの流れ
  5. テレワーク実施計画の提出先・問い合わせ先

 厚生労働省の公式サイトによると、人材確保等支援助成金(テレワークコース)とは、テレワークを導入・実施することで、労働者の人材確保や雇用管理改善などの効果をあげた中小企業事業主に向けた助成金です。

 機器等導入助成と、目標達成助成の2段階の助成となっています。

 まず、機器等導入助成を受けるために必要な取り組みです。

  1. テレワーク実施計画を作成し、管轄の労働局に提出してその認定を受けること
  2. 計画認定日以降、機器等導入助成の支給申請日までに、テレワークに関する制度について就業規則又は労働協約を整備すること
  3. 認定を受けたテレワーク実施計画に基づき、実際にその取り組みを実施すること
  4. 評価期間(機器等導入助成)に以下の2つの基準を満たすこと。①評価期間(機器等導入助成)に1回以上、テレワーク実施対象労働者全員がテレワークを実施する、②評価期間(機器等導入助成)にテレワーク実施対象労働者が週平均1回以上テレワークを実施する

 助成額は、1企業あたり、支給対象となる経費の30%です。ただし、以下のいずれか低い方の金額を上限とします。

  • 1企業あたり100万円
  • テレワーク実施対象労働者1人あたり20万円

 つぎに、目標達成助成を受けるために必要な取り組みです。

  1. 離職率に関する次の2つの目標の達成をしている。①テレワークに関する制度の整備の結果、評価時離職率が、計画時離職率以下であること、②評価時離職率が30%以下であること
  2. 評価期間(機器等導入助成)初日から12カ月を経過した日からの3カ月の間に1回以上テレワークを実施した労働者数が、次に示す人数以上であること。評価期間(機器等導入助成)初日から12カ月を経過した日における対象事業所の労働者数×計画認定時点における対象事業所の労働者全体に占めるテレワーク実施対象労働者の割合

 助成額は、1企業あたり、支給対象となる経費の20%(生産性要件を満たす場合は35%)です。ただし以下のいずれか低い方の金額を上限とします。

  • 1企業あたり100万円
  • テレワーク実施対象労働者1人あたり20万円

 このほか、取り組みごとにも上限が設けられています。カッコ内は上限額です。

  • ネットワーク機器(15万円)
  • サーバ機器(50万円)
  • NAS機器(10万円)
  • セキュリティ機器(30万円)
  • ウェブ会議関係機器(1万円/対象労働者1人)
  • サテライトオフィス利用料(30万円)

 支給となる経費、ならない経費の詳細は、厚労省の公式サイトで確認してください。

 人材確保等支援助成金(テレワークコース)2021年12月、支給要領の改正が発表されました。ポイントは2つあります。

 まず、テレワーク勤務を「新規に導入する事業主」のほか、「試行的に導入している又は試行的に導入していた事業主」も助成対象となりました。

 つぎに、支給対象経費について、以下のテレワーク用サービス利用料も対象になりました。上限は初期費用5万円、利用料35万円です。

  • リモートアクセス及びリモートデスクトップサービス
  • 仮想デスクトップサービス
  • クラウドPBXサービス
  • Web会議などに用いるコミュニケーションサービス
  • ウイルス対策及びエンドポイントセキュリティサービス

 人材確保等支援助成金(テレワークコース)の申請から支給までの流れは次の通りです。

  1. テレワーク実施計画の作成・提出
  2. 管轄労働局がテレワーク実施計画を認定
  3. テレワーク実施計画にもとづいたテレワークを可能とする取り組みを実施
  4. 機器等導入助成の評価期間にテレワークを実施
  5. 機器等導入助成の支給申請
  6. 目標達成助成の評価期間にテレワークを実施
  7. 目標達成助成の支給申請

 テレワーク実施計画の提出や問い合わせは、各都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ。