目次

  1. 「感情型営業」からの変化
  2. 求められる「ロジカル型営業」
  3. 商談後に行うヒアリングとは
  4. 6割の顧客が再商談を承諾
  5. 商談後のレビューで質が向上
  6. 休眠化を防ぐ「納品後フォロー」
  7. フォローメールが追加注文に
  8. 商談の評価をもらう仕組みを

 前回は商談のきっかけを作るオンライン営業をテーマに、売り込み中心から役に立つ情報の提供に変えたことで、商談の機会作りに成功した事例を紹介しました。今回は商談後の取りこぼしを防ぐために、どのようなオンライン営業をすればいいかについて解説します。

 「商談したら100%受注」という営業はあり得ません。一般的に商談が受注につながる割合は、20~30%程度と言われています。商談相手のニーズや期待される要求レベル、競合相手の有無などで成約の確度は異なります。顧客を理解した上での商談こそ、取りこぼしを少なくする秘訣です。

 従来はどの会社も、商談のアポイントが取れたらまず客先へ赴きました。熱意や場の雰囲気を大切にしながら顧客との距離を縮める「感情型営業」とも言えます。ところが、営業を受ける商談相手の要求が変化しているのです。

 有限責任監査法人トーマツの「リモート商談に関する実態調査」(2020年10月)によると、「リモート商談が6割以上」と回答した課長職以上のマネジメント職は、全体の55%にのぼります。会社の規模が大きくなるほどリモート営業の割合は増え、従業員数1万人以上の会社で「リモートが1割以下」という回答は11%にとどまります。

 このため、対面で熱意を示す商談ではなく、相手の会社のことを理解したうえで、類似の課題を有する企業への導入事例や、課題解決の提案などを示す「ロジカル型営業」が求められつつあります。

 しかし、既存顧客でもない商談相手のことを理解するのは容易ではありません。次章から、オンライン営業で商談相手へのアプローチを粘り強く続けて顧客のニーズを掘り下げ、成果につなげている企業の事例を見てみましょう。

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