目次

  1. 3月22日の電力需要の状況
  2. 3月23日の「需給ひっ迫」どうなる?
  3. 節電が必要な理由とは
  4. 節電の協力呼びかけの対象地域
  5. オフィス・工場の節電方法

 3月22日は東京電力管内で「想定される電力需要に対して供給力が十分確保できない見通し」で、朝9時から夜まで電力需要が供給力を上回る予想となっていました。

 東京電力パワーグリッドなどは、火力発電所の増出力やほかの電力会社から電力を融通してもらうなどの対応を取ることにしましたが、それでも、想定される電力需要に対して供給力が十分確保できなかったため、家庭や職場に不要な照明を消すなど節電の呼びかけをすることに決めました。

 その結果、16時台の需要が当初の想定需要(4840万kW)を481万kW程度下回るなど、電力需要がおさえられ、停電の回避につながりました。

 東北電力管内でもこの日、朝9時台の電力の供給力に対する使用率が100%(速報値)に届くなど、電力需給が極めて厳しい状況となっていました。しかし、電力使用のピークである17~19時以降は電力需給が改善し、安定供給を確保できる見通しが立ちました。

 3月23日午前1時の東京電力パワーグリッドの公式サイト「でんき予報」によれば、23日の電力供給に対する使用率のピークは93%。「やや厳しい」とされる水準です。

 しかし「東京電力管内は22日と比べ最高気温が上がる一方、午前中は低い気温で推移する見込みであり、電力需給がひっ迫する可能性がある」として、経産省と東京電力パワーグリッドは需給ひっ迫警報を継続し、節電の呼びかけを続けることにしました。

 午後に日射量が増加し、太陽光発電の出力が増えて需給が緩和される見込みとなったため、11時に警報を解除しました。

 一方の東北電力管内は、23日の天気予報などを踏まえると、十分な供給力を確保できる見通しだといいます。そのため、経産省は、東北電力管内の需給ひっ迫警報を解除しました。

 3月22日に電力需給がひっ迫した原因の一つが、天候です。気温の低下や悪天候による太陽光出力の低下などが重なり、電力需要が高まりました。

 これに加えて、3月16日に福島県沖を震源とするマグニチュード7.3の地震により火力発電所が停止していることが影響しています。経済産業省によると、停止している火力発電所は、次の計6基334.7万kW分です。

東北エリアに送電

原町火力発電所1号機(東北電力)……100万kW
新仙台火力発電所3号系列3-1号機(東北電力)……52.3万kW
相馬石炭・バイオマス発電所(相馬エネルギーパーク)……11.2万kW
仙台パワーステーション(仙台パワーステーション)……11.2万kW

東京エリアに送電

広野火力発電所6号機(JERA) 60万kW

東北エリア・東京エリアの両エリアに送電

新地火力発電所(相馬共同火力発電) 100万kW

 23日も節電の協力の呼びかけが続けられたのは、東京電力が電力供給している茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県(富士川以東)です。

 オフィスや工場の節電方法については、九州電力の公式サイトが詳しく解説しています。空調、照明・電気、給湯・衛生、生産などの分野で、50項目以上のチェック項目を挙げています。運用を変更するものと設備の更新を伴う項目が含まれています。

 たとえば、照明・電気の項目で、運用の変更でできる項目には次のようなものがあります。職場の状況に合わせて確認してみてください。

  • 不要照明の消灯
  • 照明の間引き
  • 自動販売機照明の消灯
  • 変圧器の不用時停止
  • 変圧器負荷調整