目次

  1. 先進的防災技術実用化支援事業とは 3つのフェーズで助成
    1. 改良・実用化フェーズの助成額や対象経費
    2. 普及促進フェーズの助成額や対象経費
    3. 普及促進フェーズの助成額や対象経費
  2. 対象事業者
  3. 対象となる災害分野
  4. 審査のポイント
  5. 助成金以外のメリット
  6. 助成金の申請エントリー、いつからいつまで?
  7. 申請エントリーの方法

 東京都中小企業振興公社の公式サイトによると、先進的防災技術実用化支援事業とは、都市防災力の向上と産業の活性化を図るために、災害に対応する製品の改良から普及促進までを助成する事業です。

 以下の3つのフェーズで利用できますが、フェーズごとに別々の申請をする必要がありません。「改良・実用化」は必須ですが、そのほかは任意です。いずれも採択されると、最大1350万円の助成となります。

先進的防災技術実用化支援事業の助成金の上限
  1. 製品の改良・実用化に要する経費の助成(改良・実用化フェーズ)
  2. 先導的ユーザーへの導入に要する経費の助成(普及促進フェーズ)
  3. 展示会出展や広告に要する経費の助成(普及促進フェーズ)

 防災製品の改良・実用化の経費の一部を助成します。また、防災機能を備えていない技術・製品でも、防災機能を新たに追加するための改良に要する経費が助成対象です。

助成限度額:1000万円(助成率2/3以内)
助成対象期間:2022年10月1日~最長1年9ヵ月以内
助成対象経費:原材料・副資材費、機械装置・工具器具費、委託費、産業財産権出願・導入費、直接人件費

 対外的な評価や信頼性の向上に繋がり、以後の普及に好影響を与えることが想定されるユーザーまたは、先行導入が期待できる「先導的ユーザー」が実用化製品などを導入するために必要な製作やカスタマイズにかかる経費が助成対象となります。

助成限度額:200万円(助成率1/2以内)
助成対象期間:改良・実用化フェーズの完了検査日の翌日から起算して1年以内、または2025年6月30日のうち早い日
助成対象経費:原材料・副資材費、機械装置・工具器具費、委託費、直接人件費

 改良・実用化フェーズで実用化した技術・製品の販路を開拓するための展示会(オンライン展示会含む)や、プレスリリースの配信などの経費が助成対象となります。

助成限度額:150万円(助成率1/2以内)
助成対象期間:改良・実用化フェーズの完了検査日の翌日から起算して1年以内、または2025年6月30日のうち早い日
助成対象経費:展示会出展費、広告費

 都内の本店・支店で1年以上継続的に事業を営んでおり、改良の基礎となる技術・製品などを自社で有する中小企業などが対象です。改良の基礎となる技術・製品は、防災製品でなくても申請できます。

 対象となる災害分野について、2022年度から土砂災害、鳥獣害・虫害、車両事故災害、ペット防災が追加されました。

  • 自然災害(地震災害、風水害、火山災害、土砂災害)
  • 事故災害(火災、危険物事故、船舶事故、航空機事故、鉄道事故、原子力事故等)
  • その他災害(酷暑害、干害、冷害・寒害、視程不良害、感染症、鳥獣害・虫害、車両事故災害、ペット防災)

 審査の視点は、申請要件を満たしているかやのほか、財務内容や事業予算のチェックもあります。さらに、次の4つのポイントによる技術審査があります。

  • 優秀性 (技術的、実用的に優れているか)
  • 実現性 (開発能力、開発体制、開発計画)
  • 妥当性 (計画全体の確実性や資金計画及び申請経費の適切性)
  • 普及可能性 (販売戦略、競争優位性)

 採択されると、助成金以外にもメリットがあります。東京ビッグサイトで開催される展示会「危機管理産業展」への無料出展できたり、実用化に成功した製品の紹介冊子「防災製品カタログ」に掲載されたりする可能性があります。

防災製品カタログの掲載事例

 申請書提出には、事前に申請エントリーが必要です。申請エントリーは4月12日から6月30日までです。その後の申請書提出は7月1~6日です。電子申請もできます。

先進的防災技術実用化支援事業のスケジュール

 電子申請は、国が提供する「Jグランツ」を利用します。Jグランツを利用するには「GビズID」でアカウント(gBizIDプライム)を取得する必要があるため、事前にアカウントを取得しておきましょう。

 実際に申請する前には、東京都中小企業振興公社の公式サイトにある募集要項を読んで詳細を確認してください。公式サイトから申請エントリーもできます。