目次

  1. 社員の辞職を恐れるなかれ
  2. 社長交代後に辞職しやすい理由
    1. 社員に求められる役割が不明確
    2. 評価制度が定まっていない
    3. 目標に区切りを設けていない
  3. 内向き志向と顧客志向のわな
  4. 後を継いだら確認すべきこと
  5. 規律を乱す社員への対処法

 先代の後を継いだ経営者が自分なりの経営スタイルを進めようとすると、社歴が長い社員たちから不満の目を向けられることがあります。こういうときに「社員に辞められたら困る」と考えてしまい、強硬姿勢が取れない経営者は少なくありません。

 しかし、経営者の指示が部下に伝わらないような組織でいいはずがありません。この問題に対し、どのような解決策が考えられるでしょうか。

 まず、後継ぎ経営者は社員の辞職を過度に恐れないでください。社長の交代後に社員が辞職したとしても、「前社長が大好きだったので辞めます」という人を除けば、承継との間に直接の因果関係はないのです。

 ただし、社長の交代後に社員が辞めやすい理由として、次の三つが考えられます。

 一つ目の理由は、会社が社員に求める役割が明確になっていないことです。特に古株の社員たちは小さくない愛社精神を持っていますから、社長が代わろうが最初は会社のためによかれと思って仕事をします。素晴らしい行いですから、決して否定してはなりません。

 ただ、会社を思う古参社員の行動が全て正しいかどうかは別問題です。明らかに間違った方向へ進んでしまうこともあります。ただ、後継ぎ経営者から「改めてほしい」と指摘されたら、古参社員は「会社のためにやったのに新社長は認めてくれない」と思うでしょう。

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