目次

  1. 革小物の伝統を100年超つなぐ
  2. 前職時代にノベルティーを製造
  3. ホームページ制作で問い合わせ増
  4. 自社ブランド製造を始めた真意
  5. デザインアワードに挑んだ理由
  6. 「分かりづらい」と言われて改善
  7. ビジネスデザインで優秀賞
  8. 次の100年へカフェを計画中
  9. 「歴史はお金で買えない」

 革製品は経年変化を楽しみながら、長く使えるのが魅力です。手に取る機会が多い財布やカードケースなどは、使うほどに愛着がわきます。

 そんな革小物を作り続ける東屋の創業は1905年。巾着や手提げ袋など革小物を含む袋物の卸業から始まりました。

 現在は家族経営の革小物メーカーで、木戸さんは2016年から6代目社長を務めています。従業員数は社長を含めて7人。売り上げの8割は、手帳販売会社などのOEM(相手先ブランドによる生産)で、残り2割がノベルティーやオリジナルの革小物ブランド「made in RYOGOKU」だといいます。

 「made in RYOGOKU」では、水玉模様が特徴の「まるあ柄」シリーズや、財布の内側に葛飾北斎の浮世絵をあしらった「“粋” HOKUSAI」シリーズが看板商品です。

 社屋2階には、創業時の資料や江戸時代の日用品などを展示した「袋物博物館」があります。袋物の歴史と革小物の魅力を伝え、日本の革小物産業の発展に寄与したいという木戸さんの母親の思いを受けて、04年に開設しました。

「袋物博物館」は入館料無料で、これまで約6900人(2022年1月現在)が訪れました

 伝統と革新性を備えた東屋を継ごうと決意したのは、木戸さんが40代になってからでした。「両親から継いでほしいと言われたことはなく、私もそのつもりはありませんでした」

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