目次

  1. まずは経営理念を打ち出す
  2. 理念に入れてはいけないもの
  3. 川崎を初Vに導いた経営理念
  4. 社員に責任と権限を与える
  5. 組織図作成の注意点は
  6. 「トラブルメーカー」への対処法

 経営者は組織で一番高い位置に立ちます。高い山に登れば遠くの景色が見えるように、会社のなかで立場が上の人ほど、より先の未来を見通さなければなりません。それゆえ、先代の後を継いだ経営者が真っ先に取り組むべきは、会社の目的や方向性を示すための経営理念を打ち出すことです。

 「経営計画の作成が先だ」、「雇用から始めないといけないだろう」といった反論もあるでしょう。もちろん、それらは大事ですし、何も社長の役割は経営理念の考案だけと述べるつもりはありません。しかし、会社の方向性を決定する前に具体的な施策を講じると、大抵うまくいかないものです。

 経営理念は、誰よりも社長が一番理解していなければならないものです。社長が交代したら必ず新しくしましょう。前社長が掲げていた経営理念を、現社長が完全に自分のものにすることはできません。

 経営理念というものは、それを見た一般の人に「この会社の商品やサービスを使ったら、自分たちの生活がよくなりそうだ」と少しでもイメージしてもらえるようにすることが肝心です。従って経営理念に入れなければならないのは、質の高い社会性だと言えます。

 よく間違えてしまうのは「働き方改革を推進しています」と言って、経営者が「社員第一」を経営理念にしてしまうことです。社員を大切にする気持ちは素晴らしいですが、それらは理念の中に入れるべきではありません。

 では、質の高い社会性を生み出すために必要なものは何でしょうか。

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