目次

  1. 預貯金が返済されないまま急死
  2. 急死が家族に与えるリスク
  3. 会社のことは誰に相談?
  4. 残された家族の収入確保
  5. 家族が受け取る保険金を確保
  6. 家族名義の資産の把握
  7. 経営者名義資産の相続税対策
  8. 死亡退職金や弔慰金の確認
  9. 社長から会社への貸付金は
  10. 少しずつでも生前に対策を
  11. 次回は親の終活・子の終活

 ある朝起きたらベッドの隣で夫が亡くなっていたんです――。これは、私の知人の話になります。まだ50歳だった夫は仕事とゴルフが大好きで、前夜まで元気にしていたそうです。

 夫は社員とパート従業員の計3人でコンサルタント会社を営んでいました。私の知人である妻はしばらく頭が真っ白になりましたが、気を取り直して警察に電話したそうです。夫が亡くなれば会社の継続は難しく廃業となりますが、会社で加入していた生命保険で、従業員の退職金と銀行への借り入れはどうにかなりそうでした。

 ただ、家族に残された資産は預貯金1千万円程度。会社が大変な時期に家の預貯金で資金繰りの穴埋めをしていたからです。そのあと会社を立て直した後も、預貯金は返済されていませんでした。

 夫の死亡保険金の2千万円を足しても自宅以外の資産は3千万円程度。2人の子の大学進学を控え、また専業主婦である自身の老後も考えると不安で仕方がないと、筆者のところに相談に来ました。

 このケースのように、経営者が急に亡くなると残された家族は次のような不安を抱きます。

  • 会社の今後にどう対応すればよいのか
  • 残された家族の収入は
  • 家族のための保険は何があるか
  • 我が家にはどんな資産があるのか
  • 相続税の課税の有無は
  • 会社からの死亡退職金や弔慰金は期待できるか
  • 会社に貸し付けたお金は戻るのか

 経営者の死後に家族を困らせないために、後継ぎ経営者はどんな準備をしなければいけないでしょうか。起こりうる課題ごとに以下の表にまとめました。

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