目次

  1. 「感謝の手紙」で接し方が変わる
  2. 「家系図」で深める経営への想い
  3. 自身の「葬儀」も事前に準備を

 エンディングノートの中でも、経営者にぜひ書いてほしいのが、家族や社員、取引先へ感謝の気持ちです。

 ある60代の経営者から、家族や従業員、取引先一人ひとりに過去の様々な出来事を思い出しながら感謝の気持ちを手紙に書いて、エンディングノートに挟んでいるという話を聞きました。自身でも気づかなかった想いに気づき、感謝の気持ちを文章に残すことができます。感謝の気持ちがわいてくると、その気持ちが態度に表れ、相手への行動が変わるということです。

 前回お伝えした「会社年表&自分年表」を作成することで、自社に関わる人々を思い出しながら、改めて関係性を考えることでしょう。まだ若い後継ぎ経営者であっても、 日ごろ伝えられないこと、忘れてはならないことなどを、その人をイメージしながら感謝の気持ちとして書くことをお勧めしています。まとめて一気にというより、折に触れて書いておくことです。

 この手紙は、ご自身が亡くなった数カ月後に、周囲が落ち着いたころ、手紙を受け取った人が見返したときに、思い出に浸ることができるはずです。関係性が近いほど、あなたが亡くなった寂しさを埋める手紙になるようです。

 一人ひとりの顔を思い浮かべながら伝えたいことをしたためていると、一人ひとりがいとおしくなり、その後、家族や従業員への接し方が変わり社内の雰囲気が良くなったというお話を聞きました。社員が多ければ、役員など日ごろ接している方々だけにでも書かれてはどうでしょうか。

 ただ、書いてはいけないこともあります。

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