目次

  1. 「終活」の話を避ける親世代
  2. 認知症は身近な問題に
  3. 認知症が経営に与える影響は
  4. 承継対策しても安心できない理由
  5. 後見人の8割は親族以外
  6. 法定後見と任意後見の違い
  7. 親世代と進めるべき対策は
  8. 40代から承継リスクを考える
  9. 次回は「ポジティブ終活の落とし穴」

 親はいつまでも元気とは限りません。たとえば気づかない間に認知症が進行してしまったら、会社の経営も個人の財産も本人や家族の希望通りに動かせなくなってしまうことをご存じでしょうか。

 できれば早いうちから、親子で事業承継の方針や時期を決めて、家族全員が理解、納得し、相続人同士が争わない仕組みづくりが必要です。特に経営者である親の終活は家族に大きな影響を与えます。

 まずは、後継者であるM社長と会長の父親との会話から紹介します。これは、筆者が実際に聞いた話です。

 M社長:おやじ、終活って知っているか? 経営者のための終活セミナーというのに参加してきたんだけど、老後になったら先々のことを考えて決めておいた方がいいらしい。相続に備えてどのくらいの財産があるのかも教えておいて欲しいんだけど…。                

 父親:終活~? おまえ、親の財産なんかをきいて一体どうするつもりなんだ? 親の財産をあてにしているんだろう。俺はまだ死なん! ボケてもない! 死んだときの話なんか考えなくていい。死んだあとはお前らが好きにすればいいじゃないか。

 また、3代目社長のKさんは会社の経理を母親が一人で行っているため、今後に備えて会社や我が家のお金周りのことを教えてほしいとお願いしました。しかし、母親は「まだ早い。ボケないためにも私が頑張る」の一点張りだったそうです。

 Mさんの父親もKさんの母親も75歳を過ぎていて立派な後期高齢者です。終活の話が早すぎることはないと思うのですが・・・。

 筆者は日頃から相談を受ける中で、とても穏やかでおおらかな人だった人が年を取って怒りっぽくなったり、人の話を聞かなくなったりなどという話をよく聞きます。また、耳が聞こえにくくなった親が、疑心暗鬼になって周囲が文句や悪口を言っていると邪推して不機嫌になったり、聞こえないのにわかったふりをしたりして、後日トラブルを起こしてしまうということもあります。

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