目次

  1. 下請法とは
  2. 廣川の下請法の違反事実
  3. 廣川、コメントを発表

 公取委のパンフレット(PDF方式)などによると、下請法とは、下請け会社に対し、発注後に下請代金の額を減らしたり、協賛金・値引き・歩引き名目で発注後に一定金額を下請代金から差し引いたり、事務手続きの遅れなどから下請代金の支払日を遅らせたりすることを禁止する法律です。

 正式には下請代金支払遅延等防止法といいます。親事業者が下請法に違反した場合には、公正取引委員会から、違反行為を取り止めるよう勧告されます。勧告されると、企業名、違反事実の概要などが公表されます。

 公取委の公式サイトによると、廣川は、下請け事業者に対し、以下の事業を委託していました。

  • 食品製造業者等に販売する包装資材等又は食品製造業者等から製造を請け負う包装資材、販売促進用商品等の製造
  • 食品製造業者等から作成を請け負う印刷物等のデザインの作成

 廣川は2021年9月~2022年10月、次の理由で、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請代金の額を減じていたと公取委が認定しました。減額した金額は、下請事業者87社に対し、総額1323万6486円に上るといいます。

  1. 歩引(下請代金を現金で支払う際に、下請代金の額に一定率を乗じて得た額を「歩引」と称して差し引いていた)
  2. でんさい手数料(下請代金を電子記録債権で支払う際に、廣川が金融機関に支払う電子記録債権の発生記録請求に係る手数料に相当する額を「でんさい手数料」と称して差し引いていた)
  3. 下請代金を下請事業者の金融機関口座に振り込む際に廣川が実際に金融機関に支払う振込手数料を超える額

 公取委は「下請法は、下請事業者に責任がないのに、発注時に定められた金額から一定額を減じて支払うこと等を全面的に禁止している。値引き、協賛金、歩引きなど名目、方法、金額の多少を問わず、下請事業者との合意があっても、下請法違反となる」と説明し、再発防止などに取り組むよう勧告しました。

 これに対し、廣川は公式サイトで、コメントを発表しました。

当社は、製造を委託しているお取引先様と規定違反となる行為は既に行っておらず、規定違反と認定された金額をお取引先様にお支払いいたしました。
当社は、今回の勧告を厳粛に受け止め、勧告内容を全役職員に周知徹底するとともに、下請法遵守の社内教育の実施、チェック体制を強化するなど、コンプライアンスの強化と再発防止に努めてまいります。
お取引先様をはじめ関係者の皆様には、ご心配とご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。

公正取引委員会からの勧告について(廣川の公式サイト)