目次

  1. 五月病が起きる理由は
  2. 目標設定と不必要な恐怖の排除
  3. 理想は「湘北」のようなチーム
  4. 放任が招いた契約打ち切り
  5. 在宅勤務下で社員を管理する方法

 4月に異動した社員や入社したばかりの新人にとって、5~6月は集中力が低下しやすい時期と言えるでしょう。環境の変化が精神的負担となり、心身の不調を引き起こす可能性があるからです。これがいわゆる五月病となります。厚生労働省のポータルサイトでは、五月病について次のように定義しています。

 ゴールデンウィーク(春の大型連休)を過ぎた頃に注意が必要なのが、「五月病」です。新入社員や人事異動など環境変化のあった方が、新しい環境への適応がうまくいかず、なんとなく体調が悪い、やる気が出ないなど心身に不調があらわれる状況を言われています。五月病は正式な病名ではありません。医学的には、「適応障害」、「抑うつ状態」などの病気と関係があるとされることが多いです。

厚生労働省「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳」

 なぜ、環境の変化で五月病になるのでしょうか。理由は大きく分けて①目標が不明確であること、②人間関係の悩みという二つが挙げられます。

 目標が不明確であるとは、要するに何をしたらよいか分からず迷っている状態のことです。部署や役職、業務内容が新しく設定され、今までやってきたことができなくなると、不安に襲われてしまいます。この状態は大きなストレスですが、子どものように泣きながら助けを求めるまねは、大人にはできません。

 人間関係の悩みとは、他人の目を気にし過ぎるあまり「自分が周囲に嫌われているのではないか」と思い込んで仕事が手に付かなくなってしまう状態です。我々はこれを「不必要な恐怖を抱いている」と表現しています(関連記事:組織マネジメントに「必要な恐怖」とは パワハラとの違いも解説)。

 人間関係に悩みやすい人や「他人からどう思われているか」が気になって仕方がない人は少なくありません。そうした人にとって、親しい仲間に囲まれていたチームを移り、新しい人間関係を築こうとするのは大変です。

 人間関係の悩みは、目標が不明確だと助長されてしまいます。自分がすべき仕事に最大限集中できているのであれば、人間関係など気にしている暇はないでしょう。集中力が散漫だからこそ周囲の視線が気になってしまうのです。では、こうした状態を防ぐために、経営者は具体的にどのような対策を取ればいいのでしょうか。

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