目次

  1. 生前に死亡記事を書く理由
  2. 死亡記事の文例
  3. 死亡記事を書くためのステップ
    1. 思い描く人生を書き出す
    2. 三つの時期の記事を書く
    3. それぞれの死亡記事を比較
    4. 10年後までにやるべきことのリストを作成
  4. 理念やビジョンを記事とリンク
  5. 後継ぎが書いた死亡記事の事例

 経営者であるあなたが亡くなった時、自身が何を成し遂げた者なのか、そして周囲はそんな自分をどのような目で見ていたのか気になったことはありませんか。ただ、残念ながらあなたの死亡記事をタイムマシンに乗って見に行くことはできません。

 しかし、あなたが「遠い将来、自身が亡くなるときにどのようなことを成し遂げ、周囲からはどのように見られたいのか」という視点を持ち、そのためにこれから何をすべきかを明確にできれば、これからの経営者人生はより良いものに変化していくと、筆者は考えます。

 終末期医療の専門家である大津秀一さんは、終末期の患者さんが後悔していた事例から抜粋した「死ぬときに後悔すること25」(致知出版社)という本を書きました。それによると、「単純な話だが、明日死ぬかもしれないと思って生きてきた人間は後悔が少ない」といいます。

 同書の中から二つの「後悔」を紹介します。

5.自分のやりたいことをやらなかっこと

 我慢し続けて良いことなどこれっぽっちもないと思う。転職したいなら今すべきである。新しい恋に生きたいなら、今すべきである。世の中に名を残したいなら、今からすべきである。

6.夢をかなえられなかったこと

 死ぬ前に後悔するのは、夢がかなわなかったこと、かなえられなかったこと、そのものよりも、むしろ夢をかなえるために全力を尽くせなかったことにあるのかもしれない。

 人生の最期を前にして後悔することは、「なぜ全力を尽くせなかったのか」、「なぜやらなかったのか」です。

 そこで筆者は、後継ぎの皆様が「明日死ぬかもしれない」と仮定して自身の死亡記事を書くことで、やるべきことが明確になれば、今後の人生を変えることができるはずだとの思いに至りました。死ぬときに後悔しないように全力を尽くすべきことが具体的にわかるからです。では、具体的な死亡記事の書き方について、次章から解説します。

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