中小企業の価格転嫁の無料相談窓口、47都道府県のよろず支援拠点に設置
中小企業などが原材料費やエネルギー価格、労務費などの上昇分を、発注側企業に適切に価格転嫁できるよう、中小企業庁は2023年7月、全国47都道府県にある「よろず支援拠点」に、価格転嫁サポート窓口を新設すると発表しました。
中小企業などが原材料費やエネルギー価格、労務費などの上昇分を、発注側企業に適切に価格転嫁できるよう、中小企業庁は2023年7月、全国47都道府県にある「よろず支援拠点」に、価格転嫁サポート窓口を新設すると発表しました。
よろず支援拠点とは、国が全国47都道府県に設置した無料の経営相談所です。中小企業・小規模事業者、NPO法人・一般社団法人・社会福祉法人等の中小企業・小規模事業者に類する方、創業予定の人が何度でも相談することができます。
売り上げ拡大だけでなく、経営改善や創業、事業承継に関する相談も受け付けています。
価格転嫁とは、原材料・人件費・光熱費のコスト上昇分を製品やサービス価格に上乗せすることです。
下請取引の公正化や下請事業者の利益保護のための代表的な法律に「下請法」があり、下請取引上の親事業者の義務と禁止行為を定めています。
中小企業庁が実施した2023年3月のアンケート調査では、「価格交渉を申し入れて応じてもらえた」、または「発注側からの声掛けで価格交渉ができた」と回答した下請中小企業の割合は全体の約58%で、2022年9月時点より増えました。
一方、「発注側から交渉の申し入れがなかった」、「協議に応じてもらえなかった」または「減額のために協議申し入れがあった」と回答した割合も全体の約16%となり、二極化が進行する結果となりました。
こうしたなか、中小企業庁は、よろず支援拠点を活用して「価格転嫁サポート窓口」を設置することにしました。
具体的には、原材料費や光熱費などの高騰に悩む中小企業から経営相談が寄せられたときに、以下のような原価計算に向けた支援をし、中小企業が取引先と交渉しやすくする目的があります。
窓口で、原価管理の目的と算出に関する考え方、製品原価の算出に必要な情報の把握手法を助言する予定です。
さらに、窓口では、個別の企業の実態を踏まえた、具体的な製品ごとの原価の算出方法も提案します。
各都道府県のよろず支援拠点の窓口を調べるには、中小企業庁の特設サイトを参照してください。
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