目次

  1. 経営者の優しさが奪う成長機会
  2. 1人では達成困難な目標を課す
  3. 任せるのが不安なときは…
  4. 売り上げを1億円伸ばした塗装会社
  5. 経営者は管理職の育成に注力を

 経営者の代わりとなって現場のメンバーをマネジメントする中間管理職の育成は、会社の発展を大きく左右する重要な経営課題のはずです。しかし、「中間管理職が育たない」と嘆く中小企業の経営者は少なくありません。こうした経営者には大きく二つの共通点があります。

 一つ目は、自分のやり方をまねさせようとすることです。例えば、モチベーションマネジメントが得意な経営者の下で働く中間管理職は、各メンバーの考えを読み取った上で感情を揺さぶる役目が求められます。しかし、そんな芸当を、経営者より経験が浅くカリスマ性も劣る中間管理職がまねできるでしょうか。

 「私ができるのにあなたがうまくいかないはずはない。一生懸命やっていないからそうなるんだ」と経営者が叱責しようものなら、中間管理職はどうすればよいか分からなくなり、離職を選んでしまう恐れもあります。

 二つ目は、中間管理職のやり方につい口を出したがることです。チームの成績が芳しくない中間管理職の報告を聞くうちに、口出しが止まらなくなる経営者は数知れず、なかには末端のメンバーにまで直接指示を出さなければ気が済まない人もいます。

 部下のやり方にもどかしさが募り、「自分がやった方が早いし確実だから手助けしてあげよう」と考えているのでしょうが、自分の力で最初から最後まで仕事をやり遂げない限り、中間管理職は成長しません。部下の代わりに仕事をやってあげる経営者の優しさは、大切な成長機会を奪う無情な行為に他ならないと肝に銘じてください。

 中間管理職の役割は、経営者とメンバーの間に立って配下のメンバーを成長させることです。どのような会社であれ、プレーヤーとして優れた成績の社員を中間管理職に登用するはずですから、次のステップは自分と同等以上に優秀なメンバーを育てることになります。それを実現するために、経営者に求められる役割は何でしょうか。

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