目次

  1. アメリカ下院議長の台湾訪問から1年 どう変わった?
  2. 次のポイントは2024年1月の台湾総統選挙
  3. 増える問い合わせ「台湾へ社員を出張させて問題ないか」
  4. アメリカ下院議長の訪問時から考える駐在員の避難タイミング
  5. 台湾有事 企業に求められる素早い対応

 2022年8月はじめ、当時米下院議長を務めていたナンシー・ペロシ氏が台湾を訪問したことがきっかけで、これに強く反発した中国は台湾本土を包囲するように前例のない規模の軍事演習を実施し、大陸側からは台湾周辺海域に向けて複数のミサイルを発射しました。

 その一部は日本の排他的経済水域にも落下し、大韓航空やアシアナ航空は韓国台湾便のフライトを一時停止するなど、これまでになく緊張が高まりました。

 それからちょうど1年が過ぎましたが、今日までのところそれ以上の緊張は走っていません。

 しかし、中国軍機が中台中間線を超え、台湾の防空識別圏に侵入するなど中国による軍事的威嚇は既に常態化しており、台湾社会の中でも有事に備える動きが進んでいます。

 台湾政府は兵役義務を4ヵ月から1年に変更し、元兵士の女性が予備役に登録することを認め、市民の間では軍事訓練や避難訓練を受講する動きが拡大するだけでなく、外国へ移住する人が増えています。

 今後のポイントになるのは、2024年1月の台湾総統選挙です。ここで中国との関係を重視する指導者が誕生すれば、現在の政治的、軍事的緊張は収まっていく可能性があります。

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