メンタルを強くする方法 心が弱い人の特徴と脳の仕組みを生かした鍛え方
「メンタル=精神論」と認識している人もいるのではないでしょうか。メンタルが強い人は、きちんと脳の仕組みを理解し、それに基づいて行動をしています。この記事では、コーチングをベースとしたコミュニケーションの専門家が、脳内に分泌される幸せホルモンを生かして無理をせずにメンタルを強くする方法を紹介します。
「メンタル=精神論」と認識している人もいるのではないでしょうか。メンタルが強い人は、きちんと脳の仕組みを理解し、それに基づいて行動をしています。この記事では、コーチングをベースとしたコミュニケーションの専門家が、脳内に分泌される幸せホルモンを生かして無理をせずにメンタルを強くする方法を紹介します。
目次
メンタルが強い状態と弱い状態、その違いをイメージできても、明確な違いを意識したことはあるでしょうか。
メンタルが強い人は、「ストレスに強い」とも言い換えられます。ストレスに強い人の脳では、幸せの三大ホルモンが多く分泌されています。
幸せの三大ホルモン |
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・オキシトシン:幸せホルモンや愛情ホルモンとも呼ばれる ・セロトニン:不足すると精神のバランスが崩れやすい ・ドーパミン:やる気や幸福感につながる |
一方、メンタルが弱い人はストレスなどにより、これらのホルモンの分泌が少なくなっているのです。その結果、うつ状態に陥ることがあります。
さらに、メンタルが強い状態の人は、自分に対して自信を持っているため、他人に対する関心を高め、積極的に関わろうとする傾向があります。それに対し、メンタルが弱い状態では、他人の目を気にすることが多いのです。
メンタルが強い人を一言でいうと、「他人のことを認められる人」と言えます。具体的には次のような特徴があります。
順にご紹介します。
セロトニンの分泌が正常におこなわれると、自己肯定感が高まります。その結果、「自分と他人は違う」ということを理解できるようになるでしょう。
そのため、他人が良い成果を出せば褒めたり、一緒に喜んだりできます。また、自分と他人を比較することなく、お互いの成長を認めあえる関係を築けます。
メンタルが強い人は、自分から変化を求めるだけでなく、周りの変化も受け入れて柔軟に対応できます。
メンタルが強い人はチャレンジ精神が旺盛です。変化を受け入れ、チャレンジすることでドーパミンの分泌が高まり、気分が高揚することにつながります。現状に甘んずることなく、変化を求める行動を取ることが多いでしょう。
自己肯定感が高ければ気分が楽になり、あらゆるものに対して優しい気持ちを保てます。これもメンタルの強さのひとつです。
他人に優しくすると、オキシトシンが分泌されます。オキシトシンは幸せを感じさせ、さらに他人に優しく接しようという気持ちを高めてくれます。
筆者の知り合いに、逆境を喜び、楽しみながら立ち向かうメンタルの強い経営者がいます。一見、我が道を行くごうまんな社長にも見えます。
しかし、実際は「自分が信じた道を突き進み」、思いついたことに挑戦する、チャレンジ精神が旺盛な人です。そして、現在は、障害者のための社会福祉事業を考えており、人に優しくすることを考えながら行動しています。
メンタルが弱い人の特徴は強い人とは反対で、「自分も他人も認められない人」と言えるでしょう。具体的には次のような特徴があります。
順にご紹介します。
メンタルが弱い人は、周りの人と自分を比較してしまいがちです。その結果、他人の成果や功績を妬むことが起こります。
また、周りの目を気にしてしまうという傾向もあり、人の視線をあえて外すことがあります。逆に、周りの人をキョロキョロと観察するような行動をすることもあるでしょう。
メンタルが弱い人は変化を嫌います。どんなに状況が悪くても、今を変えることに対して恐怖を感じてしまうのです。
恐怖を感じている人のなかに、意固地になって今を変えようとはしないという人、変えられない人もいます。その結果、周りの変化についていけず、落ち込んでしまうことがあります。
なにか問題や失敗などが発生すると、すぐに責任を感じてしまう傾向があります。「どうせ私なんて」という言葉を口にしがちなのも、メンタルが弱い人の特徴です。
メンタルが弱いと自己肯定感が低くなるため、適切な判断ができません。そのため、自分の行動にブレーキを掛けてしまいます。
すると、さらに「自分はできないから」と自分を責める、という負の連鎖に陥ってしまいます。
メンタルを強くするにはどうすれば良いでしょうか。日常でできるメンタルを強くする方法を5つ紹介します。
メンタルが強い人の特徴である、人に優しく接すること。これを意図しておこなってみましょう。
人に優しく接することでオキシトシンが分泌され、幸せな気持ちを高めてくれます。
例えば、困っている人に手を差し伸べたり、共感の言葉をかけてあげたりしても良いでしょう、また、赤ちゃんや動物などに優しい笑顔で接するのも効果的です。
日光を浴び、適度な運動をすることでセロトニンの分泌が促されます。セロトニンは、興奮物質であるノルアドレナリンが分泌されるバランスを取るために必要なホルモンです。
朝起きたらすぐにカーテンを開けて朝日を浴びる。また、昼間、適度に外に出て散歩をしたり、スポーツなどで体を動かしたりしても良いでしょう。
体を動かすことで末梢神経が刺激され、中枢神経の感情をプラスに向けられます。その結果、メンタルを強くすることが可能になります。
自己肯定感を高めるために、相手を褒めてみましょう。褒められた相手は、自分が認められたと感じ、嬉しい気持ちになります。
この状況は、自分が相手を褒めているだけです。しかし、脳は「主語」を理解しないため、自分を褒めていると錯覚し、自分にも同じ作用が生まれるのです。
その結果、ドーパミンの分泌が促され、自己肯定感が高まるため、メンタルが強くなります。
メンタルを強くするために、良い言葉を口にする習慣を身につけましょう。
「言葉が変われば人生が変わる」。これは多くの人が同じようなことを口にしています。マザーテレサの名言にも「言葉に気をつけなさい、それは、いつか行動になるから」とあります。
良い言葉を口にすることで、思考が自然に良い方向に変わり、行動や習慣まで変えられるのです。
メンタルトレーニングで明るい未来をイメージすることで、幸せの三大ホルモンを上手に分泌できるようになります。
スポーツの世界で多く取り入れられているメンタルトレーニング。これを日常でも上手に取り入れることで、メンタルを強くできます。
なお、メンタルトレーニングは、単なる空想とは異なります。「五感」と、それに伴う「感情」をフルに活用し、自分が望む明るい未来をハッキリとイメージするものです。
イメージした状態が当たり前だと思えたとき、あなたのメンタルは強くなっています。
メンタルを強くするために効果的なメンタルトレーニング。ここでは、メンタルトレーニングの具体的な方法の事例を3つ紹介しましょう。
自分の夢や願望などが叶い、理想の状態になっている未来をイメージしましょう。そして、その理想の状態になりきって、他人に未来を語ります。
理想の自分になりきることで、脳の中でその光景がハッキリと浮かび、感情が高まります。その結果、「自分はできる」という気持ちも高められるのです。
メンタルを強くしようとするのではなく、そうなりたいという気持ちが自然とメンタルを強くします。
筆者が指導した人のなかで、独立したいが将来の不安を感じて一歩踏み出す勇気がない人がいました。
その人にメンタルトレーニングの方法を指導し、ワークショップで未来を語ってもらうことでメンタル面の強化を図りました。
その結果、その人はやる気を出して独立をし、今では明るく生き生きと仕事に励んでいます。
メンタルトレーニングをおこなう際は、理想の人物像をハッキリとイメージしてみましょう。また、その人になりきって行動することで、より効果を高められます。具体的には、以下のような特徴をイメージします。
このときに重要なのが、なりきったときの自分の気持ちを感じることです。気持ちを感じることで、その状況に合わせた幸せホルモンが分泌されます。
人に親切にしてもらった、好きな人と一緒に時間を過ごせた、人と気持ちよく話せたなど、小さな幸せを書き出してみましょう。小さなことで良いので、自分が幸せだと感じたことをノートなどに書き出すことが重要です。
その出来事のときにどう思ったのか、どう感じたのかなどの感情も一緒に書き出すことで、そのときの情景をハッキリと思い出せるようになります。
この小さな幸せを積み重ねることで幸せホルモンが分泌され、メンタルが徐々に強くなります。
脳内に分泌される幸せホルモンを上手に活用することで、メンタルは自然に強化されていきます。
また、イメージトレーニングを使い、意識した訓練をすることで、あなたの行動や言葉も次第に変化していくでしょう。
現代はストレス社会と言われています。身に降り掛かったストレスと戦うのではなく、上手に受け流すことが大事になります。そのためにも、脳内に分泌される幸せホルモンを活用したメンタルの強化を始めてみましょう。
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