目次

  1. 建設業の2024年問題とは
  2. クラフトバンクが建設業向けにインターネット調査
  3. 「経営者が事務作業をしている」が79%
  4. 髙木所長が指摘「経営者の多くが第二の事務員」

 建設業の2024年問題とは、2024年(令和6年)4月1日から建設業に時間外労働の上限規制が適用されることに伴う人手不足などの課題を指します。

 時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間となり、労働者と企業側が通称「36協定」を結んでいても、以下の上限を超えることはできません。

上限
①時間外労働1ヵ月45時間を超える回数 年間6回まで
②時間外労働(休日労働含まず) 年間720時間まで
③時間外労働・休日労働を合わせて 1ヵ月100時間未満、複数月平均80時間以内

 ※災害の復旧・復興の事業については、③は適用されません。

 クラフトバンク総研は、建設業の2024年問題の対応を調べるため、インターネットでアンケート調査を実施しました。このうち、経営者からは487人の有効回答が得られました。2024年問題について「対応済み」「対応中」と回答したのは26%にとどまりました。

 そのほかの回答は以下の通りです。

  • 対策しようとしている…36%
  • 対策予定無し…22%
  • 知らない…16%

 この経営者487人に事務作業の状況を複数回答で尋ねたところ、79%が「(経営者自身が)事務作業をしている」と回答しました。

 この487人に事務作業に費やす時間を尋ねたところ「3時間以上」が38%、「(2時間以上)3時間未満」が16%ととなり、半数以上が事務作業に2時間以上費やしているという回答が得られました。

経営者が行う事務作業についての回答。2024年問題に向けた工事会社の事務作業に関する動向調査(クラフトバンク総研のプレスリリースhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000080019.html)から引用

 詳しい事務作業の内容を尋ねると「見積書を作成する作業」(52%)、「実行予算作成」(41%)、「現場単位/月単位での売上原価集計」(40%)と続きました。そのほかにも「材料や工事の発注業務」「支払や入金の確認・突合作業」といった回答も30%を超えていました。

 クラフトバンク総研所長の髙木健次さんによると、今回のアンケート調査で経営者の多くが、書類作成や転記、集計といった事務作業に長時間を費やし「第二の事務員」として機能している実態が明らかになったといいます。

 そのうえで「2024年4月から建設業でも時間外労働の上限規制が始まり、社員に残業させるのは難しくなります。そうなると経営者がもっと残業しなければならない恐れがあります。建設業経営者の平均年齢は60歳です。経営者が社員の分まで今以上に長時間事務作業することは、健康の観点からも現実的でしょうか」と指摘しています。