目次

  1. 地元産にこだわった「生信玄餅」
  2. 地震で米も被災 代表は「倉庫にあるだけ買っていい」
  3. 原料の変更にとまどい でも「おいしかった」
  4. 購入者から寄せられた「ありがとう」
旅籠屋の名残を感じさせる店構えの台ヶ原金精軒
旅籠屋の名残を感じさせる店構えの台ヶ原金精軒

 金精軒は1902年、甲州街道41番目の宿場町として栄えた台ヶ原宿の旅籠が菓子店となったのが始まりで、初代小野小源太氏から地元の水、味、歴史をお菓子で表現しようと試行錯誤してきました。

 近年の売れ筋商品の一つは、山梨名物「信玄餅」です。通常の信玄餅も販売していますが、地元産にこだわった「生信玄餅」を2009年から販売し始めました。

生信玄餅の製造工程
生信玄餅の製造工程

 生信玄餅は、食味ランキングで特Aを連続で獲得した、地元ブランド米「梨北米」の素材の味を最大限生かせるよう極力砂糖を減らし、さらに、地元・北杜産の大豆でつくったきな粉とあわせて、米本来のおいしさを生かした商品です。

 砂糖を減らしたため、消費期限が3日と短く、お土産としての弱点がありますが、金精軒では、信玄餅の売り上げ全体の3割を占めるまで広がってきました。

金精軒の店内
金精軒の店内

 2024年1月1日夕方、石川県能登地方を震源とする「令和6年能登半島地震」が起きました。美しい風景で知られる能登半島の棚田は隆起したり、地割れができていたりするなど大きな被害を受けました。

 地震直後から、石川県宝達志水町にある米卸売業「中橋商事」の副社長中橋枝里子さんが被災しつつも復興、復旧に向けて活動を始めました。金精軒4代目代表取締役小野光一さんの長女で、経営企画を担う清水珠央さんとは、同じ「跡取り」として悩みを語り合ってきた仲間です。

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