目次

  1. 「デザイン経営パーラー」とは
  2. 自社ブランドで売り上げ7倍
  3. 研磨技術をカクテルシェーカーに
  4. 参加者との交流会も企画
  5. 「第2回デザイン経営パーラ―」開催概要

 デザイン経営パーラ―は、デザインの力を経営に生かしている中小企業の後継ぎ経営者を招き、実践例を伝えることで経営のヒントを探るイベントです。中小企業のデザイン経営導入を支援する株式会社ロフトワークとの共催になります。

 2024年1月、東京都内で開催した第1回は、東京・大田区で「下町ボブスレー」プロジェクトをリードした國廣愛彦さん(フルハートジャパン社長)をお招きし、約30人が交流の輪を広げました。

 2回目は、ものづくり企業の集積地である東海地方で開催。家業の課題解決の先頭に立ち、デザイン経営に取り組みながら、新たな事業の柱を作った後継ぎ2人が登壇します。

 中村製作所は「空気以外なんでも削ります」をキャッチフレーズに掲げる精密部品加工会社です。宇宙航空研究開発機構(JAXA)のH3ロケットなどの部品も手がけています。創業者の孫の山添卓也さんが2001年、父の急逝によって、24歳で3代目を継ぎました。

中村製作所の無水鍋「ベストポット」
中村製作所の無水鍋「ベストポット」(中村製作所提供)

 リーマン・ショックで唯一の取引先から契約を打ち切られたのを機に、強みの切削技術を生かした製品開発に乗り出し、2015年にBtoC向けの自社ブランド「MOLATURA」を立ち上げました。プロダクトデザイナーの協力も得て、チタン製印鑑「SAMURA-IN」、萬古焼の無水鍋「ベストポット」などのヒット商品を次々と送り出しました。

 デザイン性に優れた自社ブランドをてこに、オープンファクトリーを開いたり、新卒採用に力を入れたりするなど、発信力と組織力も高め、売り上げはリーマン・ショック前の7倍になりました。

 自動車産業の集積地にある横山興業は、自動車部品や住宅用建材などを手がけるメーカーとして発展してきました。リーマン・ショックの影響を受けて新規事業に乗り出し、商品企画を担ったのが、現社長の弟でデザイナー出身の横山哲也さんでした。

横山興業の自社ブランド「BIRDY.」のラインアップ
横山興業の自社ブランド「BIRDY.」のラインアップ(横山興業提供)

 横山さんは自動車部品加工などで培った研磨技術に着目。2013年に、ステンレス製のカクテルシェーカーを中心としたファクトリーブランド「BIRDY.」を立ち上げました。 

 0.1ミクロン単位の緻密な研磨技術を容器に施し、適度な凹凸を残しながら、お酒の味をまろやかにする滑らかさを実現しました。「BIRDY.」はプロのバーテンダーに高く評価され、高額ながらも国内外で累計2万個を売り上げるヒットシリーズとなり、新たな柱として成長しています。

 山添さんと横山さんはともに家業の後継ぎとして、既存技術の強みに着目して新たな価値を引き出し、デザインの力を使いながら実績を残しました。

 「デザイン経営パーラ―」当日は、お二人に直接、商品開発や組織変革の舞台裏を語っていただきながら、経営改善のヒントを探ります。トークの後は、お二人や参加者との交流会も設けました。ぜひネットワーキングにもご活用ください。

 開催概要は以下の通りです。

【日時】
2024年6月28日(金)14:00~16:00(開場:13:45)

【場所】
FabCafe Nagoya(名古屋市中区丸の内3丁目6−18 レイヤードヒサヤオオドオリパーク ZONE1)

【タイトル】
既存技術から価値を生む新規事業のつくり方〜デザイン経営パーラー in 名古屋

【登壇者】(敬称略)
・山添卓也(株式会社中村製作所 代表取締役社長)
・横山哲也(横山興業株式会社 取締役商品企画部長)
・二本栁友彦(株式会社ロフトワーク ゆえんユニットリーダー)
・広部憲太郎(朝日インタラクティブ株式会社 ツギノジダイ副編集長)

【募集人数】
30人(申し込み多数の場合、抽選)

【参加費】
2,000円

【参加対象】
・デザイン経営に関心のある中小企業の経営層・リーダー層
・中小企業とのネットワークを持ちたいデザイン関係者

【タイムテーブル】(敬称略、時間や内容は変更の可能性があります)

14:00-14:10 イントロダクション
14:10-14:30 ケーススタディー①(山添)
14:30-14:50 ケーススタディー②(横山)
14:50-15:30 クロストーク(山添、横山、二本柳、広部)
15:30-16:00 クロージング〜交流会

【申し込み締め切り】
※募集終了

【主催】
ツギノジダイ、株式会社ロフトワーク

【協力】
FabCafe Nagoya・株式会社OKB総研