目次

  1. あいまいさを無くす「完全結果」
  2. マニュアルや業務フローも用意
  3. 評価は減点と加点を併用
  4. 効率化やコスト改善も評価項目に
  5. 管理職の評価方法とは
  6. 評価制度改革で利益が10倍に

 バックオフィス部門の評価制度づくりに乗り出すにあたり、まずはルールに従って社員が業務に臨んでいるかを確認しましょう。例えば、本来は課長が決済すべき内容について、特段理由もなく部長が決済しているような会社はありませんか。社員の間にルールに基づいた動きをする意識がないと、改革に乗り出そうとする経営者に社員が従おうとせず、評価制度の構築には進めません。

 この大前提を押さえたならば、次のステップとして、バックオフィスの各ポジションの仕事内容を明文化しましょう。「いつまでに、何をすべきポジションなのか」を誰の目からもずれがない形で定義し、チェックリストにまとめるのです。

 そのとき、経理担当なら「毎月できるだけ早く月次決算業務を終える」では不十分です。「毎月第2金曜日の17時までに月次決算業務を終える」という形にします。人事であれば「大規模な母集団をつくる」ではなく、「3カ月間で応募者を100人集める」にするべきでしょう。

 このように、定量的に可否が分かる形を、我々は「完全結果」と呼んでいます。完全結果にすれば、誰もが評価に納得せざるを得ません。バックオフィス部門の評価はあいまいになりがちですが、優秀な人をイメージし、仕事の内容を完全結果で表せば、成果が見えにくいバックオフィス部門の評価を明確にできます。

 チェックリストが完成した後、詳細な説明が必要な場合はマニュアルと業務フローも併せて用意します。業務フローは、勤怠管理のように他部署を巻き込む業務の際に作成するといいでしょう。どのタイミングで誰に依頼をするか、各部署の責任範囲はどこまでかを決めておくのです。チェックリスト、マニュアル、業務フローの作成は、現在の業務の棚卸しになりますので、半年程度はかかると考えておきましょう。

 「暗黙の了解で回っているから、業務のチェックリストやマニュアル、業務フローは不要」といった声もあるでしょう。

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