目次

  1. 10人規模から生まれたヒット
  2. 社会課題にフォーカスしてPR
  3. 豚肉を「食べられる名刺」に
  4. ウォンツをつかんだ商品
  5. 競合との差別化を図るには

 家業のクリーニング店の後継ぎでもある浅川さんは2008年、衣料洗剤の製造販売などを手がけるハッシュを創業しました。酵素の力でシミを分解するオリジナルの洗濯洗剤「スポッとる」がECなどで評判を集め、累計70万個のヒットになりました。

 山西牧場は1992年に創業し、6千頭の豚を育てています。父から後を継いだ3代目の倉持さんは生産から、豚肉を使ったレトルトカレーや、豚のレザーを生かしてバッグなどを製造する「三右衛門/3 é mon」というブランドの開発へと手を広げ、ECなどで売れています。

 両社とも従業員規模は10人ほどですが、メディアの取材を受ける機会も少なくありません。中サミのトークセッションでは、価値ある商品をどのように広めたのかに迫りました。

 ハッシュの浅川さんは、家業のクリーニング店で取り組んだシミ抜きの技術を生かして「スポッとる」を開発し、2008年から発売を始めました。

浅川さんが開発した「スポッとる」

 「クリーニング店なので販売するすべがなく、大手ECモールに出店しました。最初は全然売れません。広告戦略に力を入れ、月1千万円の売り上げを記録することもありましたが、中小零細では体力が持ちません。あるとき広告から広報戦略にスイッチしました」と言います。

 広報で重視したのは、社会課題の解決にフォーカスしたPRでした。「『スポッとる』を使うことで、(シミが付いた)衣服を捨てずによみがえらせることができるという点を広めました。社会課題について話をすることで、だんだんとメディアに取り上げられるようになる。そんなシステムを勉強しました」

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。