台風7号の進路、16日に東日本接近 関東甲信・東北で線状降水帯に注意
杉本崇
(最終更新:)
気象庁や国土交通省は、日本の南で発生した台風7号が2024年8月16日から17日にかけて、暴風域を伴って強い勢力で東日本に近づくおそれがあるとして注意を呼び掛けています。関東甲信地方で16日夜にかけて、東北地方では16日夜から17日午前中にかけて、線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があります。東海道新幹線のほか、JR東日本管内の新幹線は相次ぎ16日の計画運休を発表しました。東京メトロ東西線の一部や、千葉県内を走るJR線、湘南新宿ラインでも計画運休を公表しており、高速道路、飛行機でも影響が出ています。
非常に強い台風7号の進路 16日に東日本接近
気象庁の公式サイトなどによると、非常に強い台風7号は、16日10時には八丈島の東北東約100kmにあって、1時間におよそ20kmの速さで北へ進んでいます。中心の気圧は950hPa、中心付近の最大風速は45m、最大瞬間風速は60mで、中心から半径130km以内では風速25m以上の暴風となっており、伊豆諸島南部は暴風域に入っています。
台風が近づくと東日本を中心に、交通機関にも影響が出ます。お盆休み終盤となるため、大きな混乱につながる可能性もありますので、今後の気象情報に十分注意してください。新たな動きがあれば随時更新します。
高波の見通し
東日本では17日にかけて、うねりを伴い猛烈なしけや大しけとなる見込みです。東海地方では16日は、うねりを伴い大しけとなる所がある見込みです。
東北地方は暴風に厳重に警戒し、高波に警戒してください。また、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒してください。関東地方では、高潮にも注意・警戒してください。
16日に予想される波の高さは以下の通りです。
関東地方10m(うねりを伴う)
伊豆諸島8m(うねりを伴う)
東北地方6m(うねりを伴う)
17日に予想される波の高さは以下の通りです。
関東地方・東北地方8m(うねりを伴う)
暴風の見通し 関東で最大瞬間風速60m
関東甲信地方と東北地方では17日昼前にかけて、猛烈な風や非常に強い風が吹く所があるでしょう。東海地方では16日は非常に強い風が吹く所がある見込みです。
伊豆諸島では、一部の住家が倒壊するおそれもある猛烈な風が吹く所がある見込みです。風が強まる前に頑丈な建物の中に移動するとともに、屋内では窓から離れるなど暴風に厳重に警戒してください。
関東地方では飛来物によって負傷したり、走行中のトラックが横転するおそれもある猛烈な風が吹く見込みです。
16日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
関東地方と伊豆諸島で40m(60m)
東北地方で30m(45m)
東海地方で25m(35m)
17日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
関東、東北地方で30m(45m)
大雨の見通し 関東甲信・東北は線状降水帯に注意
東日本や東北地方では17日ごろにかけて、雷を伴った非常に激しい雨や激しい雨が降り、大雨となる所がある見込みです。
茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京地方、伊豆諸島、神奈川県、山梨県では16日夜にかけて線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があります。
宮城県、福島県 16日夜から17日午前中にかけて線状降水帯が発生する可能性があります。
16日12時から予想される24時間降水量は多い所で、関東甲信地方が250mm、東北地方が200mmです。
東海道新幹線、16日の東京-名古屋間の運転取りやめ
JR東海の公式サイトによると、16日の東京駅-名古屋駅間は、終日、運転を取りやめます。名古屋駅~新大阪駅間は、終日、全ての列車を運休し、1時間あたり上下各2本程度、「こだま号」(普通車全席自由席)の臨時列車を運転します。
8月17日も、台風通過後の設備点検の状況により、始発から大幅な遅れや一部列車の運休、急きょの運転見合わせ等が発生する可能性があります。
計画運休の可能性のある期間の前後にあたる8月5日または18日は混雑が予想されますが、8月18日まで「のぞみ号」は全席指定席で運転しており、自由席はありません。15日に新幹線の臨時列車を追加で運転するので予約状況を確認してください。
そのほか、東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線など多くの新幹線でも相次いで16日の一部運休を発表しました。
湘南新宿ラインは、台風接近の影響により、16日の横須賀線と宇都宮線の列車で11時以降運転を取りやめます。
そのほかの山手線や京浜東北線、東海道線など多くの在来線も16日~17日にかけて遅れや運休が発生する場合があります。千葉県内のJR線も計画運休を予定しています。
東京メトロ東西線も計画運休
東京メトロの公式サイトによると、東京メトロ東西線は、台風7号接近により、8月16日正午~夜にかけて東陽町駅-西船橋駅間で計画運休を実施します。なお、この時間より大幅に早まる場合もあります。
計画運休となると、中野駅-東陽町駅間の折り返し運転となり、運転本数を減便(約5~10分間隔)し運行する予定です。
東急、小田急で運休や遅れも
東急グループの公式サイトでも、8月16日から17日にかけて、東急線の一部または全線において、計画運休や列車の遅れ、長時間にわたる運転見合わせ等が発生する場合があると案内しています。
小田急電鉄の公式サイトでも、16日のロマンスカーの一部も運休すると案内しています。
京浜電鉄の公式サイトによると、8月16日以降の、列車運行に遅れや運休が発生する場合があります。
飛行機も遅延や欠航のおそれ
ANAの公式サイトは以下の空港を発着する便に運航への影響が懸念されると発表しました。
8月16日:東京成田・東京羽田・八丈島・静岡
8月16日に東京羽田空港を発着する多数の便が欠航します。東京羽田空港 第2ターミナル ANA国内線カウンターの営業時間は12時までとなっています。16、17日の臨時便は以下の通りです。
<8月16日>
ANA1303 東京羽田 08:20発 - 沖縄那覇 10:55着
ANA1302 沖縄那覇 12:00発 - 福 岡 13:40着
ANA1304 石 垣 12:10発 - 名古屋中部 14:45着
ANA1308 沖縄那覇 13:50発 - 大阪伊丹 15:50着
ANA1306 沖縄那覇 14:10発 - 大阪伊丹 16:10着
ANA1313 大阪伊丹 17:00発 - 沖縄那覇 19:05着
<8月17日>
ANA1315 東京羽田 06:55発 - 高 松 08:10着
ANA1306 札幌千歳 07:20発 - 東京羽田 08:55着
ANA1312 佐 賀 08:00発 - 東京羽田 09:45着
ANA1310 沖縄那覇 09:00発 - 東京羽田 11:30着
ANA1308 宮 古 09:45発 - 東京羽田 12:35着
JALの公式サイトでも、8月16日は、東京羽田・東京成田空港発着の12時以降の全便欠航が決定しています。東京羽田空港第一ターミナルおよび東京成田空港JAL国内線すべてのカウンターオープン時間を12時までとなっています。17日運航便についても、台風の影響に伴い使用する飛行機の手配ができないため、欠航が決定しています。
首都高・アクアラインで通行止め
首都高の公式サイトによると、通行止めの可能性のある路線は以下の通りです。
中央環状線(外回り)板橋JCT~江北JCT
中央環状線(内回り)江北JCT~王子南合流
7号小松川線(上り)⇒中央環状線(内回り)小松川JCT
11号台場線(上り・下り)芝浦JCT~有明JCT
湾岸線(西行き・東行き)東扇島~並木・幸浦
神奈川5号大黒線(上り・下り)大黒JCT~生麦JCT
神奈川6号川崎線(上り・下り)川崎浮島JCT~大師JCT
すでに一部では通行止めが始まっています。
NEXCO東日本の公式サイトによると、8月16日18時以降に圏央道の茂原長南IC-木更津東ICで、17日0時以降にさらに東金ICまで通行止めとなる可能性があると発表しています。
すでに東京湾アクアラインなどで通行止めが始まっています。
NEXCO中日本の公式サイトでは、15日11時の時点で、8月16日に高速道路の以下の区間で通行止めとなる可能性があると発表しています。
道路名 |
区間 |
通行止め開始見込み |
西湘(下) |
西湘二宮IC-早川IC |
0~6時 |
台風8号も発生 15日には熱帯低気圧へ
気象庁は13日、南鳥島近海で台風8号も発生したと発表しました。ただし、この後は北寄りに進み、15日には日本の東で熱帯低気圧になる予想となっています。