目次

  1. デスマーチの原因とは
  2. マニュアルは「できる人」に作らせない
  3. 属人化を見直したファミリー企業
  4. マニュアル化を嫌がる社員には…
  5. 突発的な仕事を発注されても
  6. 会社を10倍に成長させるために

 20年以上も前の話になりますが、私は大学卒業後、自動車部品メーカーのシステムエンジニアとして、エンジン制御用ソフトウェアの開発に携わっていました。デスマーチも自ら体験しています。毎日ではありませんが、忙しい時期は深夜0時に帰れたらいい方で、連日の徹夜も珍しくなく、夜中に近くの銭湯へ行ってから作業を続けるような日々を送りました。

 デスマーチは元々、IT業界の過酷な労働現場を表現する言葉でしたが、現在では業界を問わず使われています。私が経験したような環境は、特定の業界に限った話ではないでしょう。

 デスマーチはつまるところ、ある仕事を期間内に完遂するための人材が足りていないという状態です。明らかに無理な依頼を受けてしまったために、現場がデスマーチと化すときもありますが、「ある程度余裕があったはずなのに、いつのまにかデスマーチに突入していた」というパターンを繰り返し、それが常態化してしまう企業も少なくありません。

 その原因は、組織によって多少の違いはありますが、大抵は業務の属人化です。組織内で特定の社員にしかできない業務が増えていくと、デスマーチが起きやすくなります。

 仕事の進捗に遅れが生じる場合は、人を増やすか別の誰かに代えるかして対応するべきですが、属人化の状態ではそれができません。最後までその社員が1人でその仕事を終わらせねばならず、結果として長時間労働につながるのです。

 属人化を防ぐには、マニュアルの策定が最も有効です。会社の業務を全てマニュアル化すれば、個人に依存せず、組織として継続的に成長できるようになります。では、中小企業経営者はどのように社内業務のマニュアル化を進めればいいのでしょうか。

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