目次

  1. 業務改善助成金とは
  2. 業務改善助成金、最低賃金引き上げへの助成概要

 厚労省の公式サイトによると、業務改善助成金とは、生産性向上に資する設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)を行うとともに、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成するものです。

 物価高を上回る賃上げを実現するため、政府は最低賃金の引き上げを続ける一方、人件費増に悩む事業主向けに業務改善助成金を拡充しています。ただし、助成金は時限的な対応であることに注意が必要です。

 厚労省は、政府の2024年度補正予算案に、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げを図る中小企業・小規模事業者の生産性向上に向けた取り組みを支援するために関連予算297億円を計上しました。

 2025年に実施される見込みの業務改善助成金の概要は以下の通りです。

 助成対象となるのは、中小企業事業者であり、事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内である事業者です。

 助成率は拡充後の事業内最低賃金と、生産性要件を満たすかどうかで変わります。()内は生産性要件を満たした場合です。

拡充後の事業内最低賃金が900円未満 900円以上950円未満 950円以上
9/10 4/5(9/10) 3/4(4/5)

 助成上限額は、最低賃金を引き上げる人数と引上げ額で変わります。カッコ内は事業場規模30人未満の事業者の場合です。

引き上げる労働者/引き上げ額 30円 45円 60円 90円
1人 30(60)万円 45(80)万円 60(110)万円 90(170)万円
2~3人 50(90)万円 70(110)万円 90(160)万円 150(240)万円
4~6人 70(100)万円 100(140)万円 150(190)万円 270(290)万円
7人以上 100(120)万円 150(160)万円 230万円 450万円
10人以上※ 120(130)万円 180万円 300万円 600万円

 ※引上げ労働者数10人以上の上限額はさらに一定の要件を満たした場合に適用される見込みです。