乳牛の長命連産性向上に奨励金 農水省が2024年度補正予算案に計上
1回あたりより多くの牛乳がとれる牛から、より多くの子牛を産み、より長い期間にわたり牛乳がとれる乳牛への転換を図るための「乳用牛長命連産性等向上緊急支援事業」について、農林水産省は政府の2024年度補正予算案に50億円を計上しました。
1回あたりより多くの牛乳がとれる牛から、より多くの子牛を産み、より長い期間にわたり牛乳がとれる乳牛への転換を図るための「乳用牛長命連産性等向上緊急支援事業」について、農林水産省は政府の2024年度補正予算案に50億円を計上しました。
長命連産性とは、より多くの子牛を産み、より長い期間にわたって生乳生産する能力のことであり、長命連産性の能力の高い乳用牛には以下の特徴があり、生産寿命(耐用年数)が長くなります。
乳用牛を育てる酪農経営は、これまで乳量を確保するために配合飼料多給を基本とし、家畜改良でも、1頭あたりの乳量を多くするための改善を重視してきました。
しかし、近年の猛暑などの影響で、受胎率の低下や生産寿命が短くなる一方で、配合飼料価格の高騰で生乳の生産コストが上昇しています。
そこで、農水省は従来型の乳量偏重の乳用牛から、長命連産性に重きを置いた強健な乳用牛による生産が図られるように支援をしています。
農水省によると、乳用牛長命連産性等向上緊急支援事業とは、長命連産性に重きを置いた強健な乳用牛へ、牛群構成の転換を図ることにより、トータルでのコスト削減や環境負荷の低減につながる酪農経営への移行を支援する事業です。
2023年度補正予算に続き、農水省は2024年度補正予算案にも50億円の関連予算を計上しました。
参考情報として、2023年度補正予算の事業内容が農水省の公式サイトに掲載されています。奨励金の対象となる精液の由来となる種雄牛リスト及び事業関係の情報についても、中央酪農会議の公式サイトが参考になります。
乳用牛長命連産性等向上緊急支援事業は具体的にいうと、長命連産性の能力の高い乳用種雄牛の交配推進と、長命連産性の能力を最大限発揮するための飼養管理という2つの事業でつくられています。
長命連産性に重きを置いた牛群構成への転換を図るため、長命連産性の能力の高い乳用種雄牛の精液又は受精卵等を利用する取組に対し、奨励金を交付します。
長命連産性能力の高い種雄牛由来の精液等の奨励金は1回につき6000円以内、とくに長命連産性能力の高い種雄牛由来の精液等の奨励金は1回につき9000円以内と定めています。
ただし、人工授精等を行う乳用牛1頭につき、対象精液等の利用は2回までとなります。
長命連産性の向上に資する飼養管理技術の普及促進に向け、有識者による検討委員会の開催、パンフレットや動画等の作成・配布及び研修会の開催等の理解醸成を図る取組を支援します。
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