目次

  1. 獺祭とは 獺祭磨き二割三分は海外でも人気
  2. 社名変更理由と旭酒造(獺祭)の今後の取り組み

 旭酒造は1948年に創業しました。3代目の博志さんが1984年、父の急逝で経営難だった酒蔵の後を継いでから、純米大吟醸酒「獺祭」を開発して立て直しを図ります。

 醸造責任者の杜氏を置かず社員が通年で製造する体制をつくり、純米大吟醸酒の量産化と全国販売に成功。特に精米歩合を23%まで削り込んだ「獺祭磨き二割三分」は、海外でも人気となっています。

 2016年に父の後を継いだ4代目の一宏さんも、米ニューヨーク州に酒蔵を開いて海外での製造を始めたり、大卒社員の初任給を5割近く上げたりするなど、挑戦を続けています。

 そんな旭酒造は、日本の伝統的なモノづくりを背景としたブランドとして、世界に挑戦し、世界のDASSAIを目指すことを明らかにしました。売上目標は、2023年度の売上195億円から、今後1000億円を目指すといい、内訳は、国内300億円、海外700億円を想定しています。

 2025年の海外の取組みとしては、フランス・パリで三ツ星を二つ持つヤニック・アレノ氏と一緒に出店(L’IZAKAYA DASSAI Yannick Alléno)、アカデミー賞に初の日本酒として協賛し、3月の授賞式で獺祭を振る舞います。

 獺祭は2023年9月にニューヨーク 州ハイドパークに最先端の酒蔵とテイスティングルームをオープンし、新しい米国ブランド「Dassai Blue」を立ち上げることを発表しました。

 NY酒蔵でのDassai Blueの売上は2024年424万ドル(6.6億円)、販売容量で約11万リットル(720ml瓶換算で、15.6万本)で、販路はニューヨークとカリフォルニアを中心に、徐々に広がっているといいます。

 大阪関西万博では、オーストリア館で、ウィーン・フィルハーモニック・テイストの音楽を聴かせて発酵させた獺祭を販売するなどを予定しています。

 国内では、新しい酒蔵(3号蔵)を着工し、2028年春に完成する予定です。日本酒を飲んでいない方にも見つけて知ってもらうために、酒屋や飲食店とともに、日本を中心に年1000回のイベントを計画しています。