目次

  1. 縦割り組織をオープンに
  2. トヨタのカイゼンが改革の土台に
  3. 「川合流」のコミュニケーション
  4. 広報の権限強化で人気上昇
  5. 中小企業リーダーへのメッセージは

 川合さんは現役時代、日本代表主将を務め、引退後はタレント活動やトヨタ自動車ビーチバレーボール部GMなど多彩な経験を積みました。日本バレーボール協会会長として白羽の矢が立ったのは、2022年のことでした。

 当時、ビーチバレーの国際大会出場をめぐる不祥事で前会長が解任され、再建を託されたのが川合さんでした。「最初は断りました。しかし、協会の財政を聞いたら『2億数千万円の赤字予算で、このままだと無くなります』と言われ、それは大変だと引き受けました」

 就任して驚いたのが、縦割りの組織構造です。会議で「変えたいこと、困っていることはないですか」と尋ねると、若手職員から「私は2年間協会にいますが、会長と話したことがありませんでした」と言われたそうです。

 「30数人しかいない組織なのに驚きました。『何かあったら言っていいよ』と伝えると、若手から次々と意見が出たんです」

 現役選手やタレントとして人気を博した川合さんですが、職員には「会長が偉いわけではない。新人でもどんどん意見を言ってください」と伝えました。会議の内容などもチャットツールに展開するなどオープンに。「情報というのは共有しないと、生かされません。共有することで組織のつながりが強くなります」

 川合さんは、選手強化やマーケティングといった部門間の人事交流を盛んにし、若手を幹部職に抜擢しました。改革の土台には、トヨタ自動車で学んでいるカイゼン思想がありました。

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