Deep Research、生成AIに続々導入 経営者の海外調査も支援

Deep Researchとは、OpenAIが大規模言語モデル(LLM)と大量のオンライン情報を統合し、多段階のリサーチを自律的に実行し、レポートを生成する機能です。OpenAIが公表し、GoogleのGeminiや、AI搭載の検索エンジンPerplexity、XのGrok3などにも導入されています。海外事例の調査や、市場分析など経営者の仕事を助けることにも役立ちそうです。実際に使いながら紹介します。
Deep Researchとは、OpenAIが大規模言語モデル(LLM)と大量のオンライン情報を統合し、多段階のリサーチを自律的に実行し、レポートを生成する機能です。OpenAIが公表し、GoogleのGeminiや、AI搭載の検索エンジンPerplexity、XのGrok3などにも導入されています。海外事例の調査や、市場分析など経営者の仕事を助けることにも役立ちそうです。実際に使いながら紹介します。
目次
OpenAIの公式サイトによると、Deep Researchは、「大量のオンライン情報を統合し、複数のステップから成る調査タスクを完了するエージェント」と紹介しています。
OpenAIの最新モデルのo3ベースを採用しており、Webを自動で閲覧し、引用付きの詳細なレポートを生成し、5~30分で複雑な調査を完了します。
月額料金が200ドル(約3万円)の「ChatGPT Pro」プランのユーザーのみが利用可能でしたが、利用範囲をPlus、Team、Edu、Enterpriseにも広げたことを発表しました。
サム・アルトマンCEOは今後、無料プランのユーザーにも利用回数を制限したうえで、開放する予定だとSNSで明らかにしています。
Deep Researchは、ChatGPTだけでなく、GoogleのGeminiや、AI搭載の検索エンジンPerplexity、XのGrok3にも相次いで導入されています。
それぞれ情報の精度にはバラつきがありますが、2025年2月時点で、Perplexityは1日5回まで無料、Grok3についてもイーロン・マスク氏が「サーバーが倒れるまでは」無料だとSNSに投稿しています。
↓ここから続き
海外のビジネス事例を調査する際、Deep Researchは、英語だけでなく様々な言語のウェブサイトから情報を収集し、日本語で要約することで、リサーチ時間を大幅に短縮するのに役立ちます。
たとえば、欧米だけでなく、インドやアフリカのトレンドを日本語で説明します(ただし、ソース元の信頼性は十分に確認してください)。
今回、海外リサーチの事例として想定したのは、老舗の菓子製造販売企業「壺屋総本店」(北海道旭川市)です。後継ぎの村本賢亮さんは、大好きな亡き祖父にとって自家製餡は誇りであり、従業員を笑顔に変える共通言語だったことから、自社が大切にすべき強みは「あんこ」だと再定義します。そのうえで、自身の得意ジャンルであるチョコレートやマーケティング力と組み合わせ、米国進出を考えています。
実際に2024年10月に渡米し、現在はリサーチで得た知見をもとに商品開発に取り組んでいます。
Google Geminiには、壺屋総本店の情報を入力することなく、以下の点をリサーチして報告するよう指示しました。
Geminiは5分ほどで5300字のレポートを出力してきました。
著作権リスクの関係上、全文を示すことはできませんが、国内外の62件のウェブサイトを閲覧したうえで「アメリカにおける小豆市場は、日本食文化の普及により、認知度と需要が高まってきています。健康志向やオーガニックなど、アメリカの市場ニーズを捉えた商品開発やマーケティング戦略によって、アメリカ市場での成功の可能性を高めることができる」と結論づけています。
あずきバーで知られる井村屋グループが2009年に「IMURAYA USA, INC.」に設立し、和風アイスクリームを製造し、生産効率を高めながら米国市場へ普及を目指している事例のほか、アメリカでの米国の認知度、世界の小豆市場の統計データや、アメリカの菓子類市場の推移などのデータも参照していました。
そのうえで、JETROの「米国における菓子市場調査レポート」なども参照しつつ、新商品のアイデアとして次のようなものを提案しています。
(続きは会員登録で読めます)
ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。
おすすめのニュース、取材余話、イベントの優先案内など「ツギノジダイ」を一層お楽しみいただける情報を定期的に配信しています。メルマガを購読したい方は、会員登録をお願いいたします。
朝日インタラクティブが運営する「ツギノジダイ」は、中小企業の経営者や後継者、後を継ごうか迷っている人たちに寄り添うメディアです。さまざまな事業承継の選択肢や必要な基礎知識を紹介します。
さらに会社を継いだ経営者のインタビューや売り上げアップ、経営改革に役立つ事例など、次の時代を勝ち抜くヒントをお届けします。企業が今ある理由は、顧客に選ばれて続けてきたからです。刻々と変化する経営環境に柔軟に対応し、それぞれの強みを生かせば、さらに成長できます。
ツギノジダイは後継者不足という社会課題の解決に向けて、みなさまと一緒に考えていきます。